『愛するということ』
本の内容
ナレソメ予備校の動画でもご紹介した、時代を超えて読み継がれる世界的ベストセラー、エーリッヒ・フロムの『愛するということ』。本書の最大の特徴は、「愛は自然に湧き上がる『感情』ではなく、習得すべき『技術(アート)』である」と断言している点だ。
多くの人は愛を「愛されること」や「運命の相手に出会うこと(対象の問題)」と考えがちだが、フロムはこれを否定する。愛とは受動的な感情ではなく、「配慮・責任・尊重・知」を伴う能動的な活動であり、音楽や絵画、医学などと同じように、知識や習練によって獲得する「能力」だと説く。すなわち、愛の問題は「愛する能力の問題」であるということだ。
本書では、愛の理論(友愛、母性愛、恋愛、自己愛など)をひも解き、愛を成熟させるためには規律や集中、忍耐といった習練が必要であると論理的に解説している。
おすすめポイント
「どうすればもっと愛されるのだろうか?」
愛について悩み、孤独を感じているとしたら、この本はそんなあなたにこそ手にとってほしい1冊だ。
本書を読むことで、人間関係がうまくいかない原因を相性や運のせいにせず、自分自身の「愛する能力」の問題として捉え直し、建設的な関係を築くヒントが得られる。
「愛されているから愛する」のではなく、「愛するから愛される」――。
パートナーシップに限らず、親子や友人などあらゆる人間関係において、孤独を癒やし、豊かに関わるための普遍的な智慧が詰まっている。
また、「自分のことを愛せない人には、他の人も愛せない」というメッセージは、自己肯定感や自己受容に悩む現代人の心に深く響き、真の自立を促してくれるだろう。
著者・訳者
【著者】エーリッヒ・フロム
1900年、ドイツ・フランクフルト生まれ。精神分析学、社会学、哲学の研究者。著書に『生きるということ』『自由からの逃走』『破壊』『悪について』ほか多数。
【訳者】 鈴木 晶
1952年、東京生まれ。法政大学名誉教授。文学批評、精神分析学、舞踊学を専攻。著書に『フロイトからユングへ』『フロムに学ぶ「愛する」ための心理学』『ニジンスキー 神の道化』ほか多数。


