マッチングアプリって、どれくらい会える? 結婚できる? 気軽な出会いの裏側に隠された「婚活の現実」とは?|アプリ婚活の実態 vol.4

近年利用者が急増しているマッチングアプリ。結婚観や働き方など、さまざまな場面で多様性が受け入れられるようになりつつある世の中で、恋愛における出会い方にも、新たな選択肢が増えたと言えるのではないでしょうか。

そこでナレソメ総研では、マッチングアプリの利用者を分析。これまでは、男女における利用目的の傾向の違いを明らかにしてきました。そして、今回注目したい話題は「婚活を目的としてマッチングアプリを利用している人は、実際に目的を達成できているのか?」という視点です。以下では調査から判明した、アプリ婚活の実態を紹介します。

婚活目的のユーザーが、マッチングアプリで出会える人数は?

本調査では、過去にマッチングアプリの利用経験がある男性153名、女性359名の合計512名を対象にアンケート調査を実施しました。その中でも、主に婚活目的でマッチングアプリを利用している人は男性107名、女性275名でした。

以下の表では、婚活を目的としたアプリ利用の対象者に対して「マッチングアプリを通して、どれくらいの期間でどれくらいの人と出会えているのか?」をまとめたグラフです。例えば、アプリの利用歴が「3か月未満」の男性回答者で、実際に出会った人数が「1人〜3人」の人は7.4%いると読み取れます。

男性のマッチングアプリ利用実態

上記は男性のマッチングアプリの利用期間における出会った人数を表したグラフです。結論、男性のマッチングアプリの利用状況は、利用期間が「3か月〜6か月」で、出会った人数が「4人〜6人」が中央値となっていることが判明しました。

また利用期間が「6か月以上」の人で、1人も出会えなかった利用者はいないようです。つまりは、アプリを最低でも6か月運用すれば、出会いが生まれる可能性が高くなるとも読み取れるでしょう。さらに出会った人数が「10人以上」で、一番多かった期間は「1年〜2年未満」でした。このことから、利用期間の長さと出会える人数は全く比例していないことがわかります。

以上の結果から、男性がマッチングアプリを利用して出会える機会は、平均して月に1回程度と予測できます。さらに「6か月」の利用で、最低1人は出会えているという点も踏まえると、男性の場合はマッチングアプリを通して出会いの機会を十分には得られていないと考えられるのではないでしょうか。

結果婚活を目的にマッチングアプリを利用している男性は、「思ったより出会いが少ない……」と感じている人が多い、つまりは婚活目的でマッチングアプリを利用した際の満足度は低いかもしれません。

女性のマッチングアプリ利用実態

上記は女性のマッチングアプリの利用期間における出会った人数を表したグラフです。女性の場合も、利用期間に関しては「3か月〜6か月」に回答が集中していることがわかります。さらに出会った人数は「7人〜9人」が中央値でした。

また、女性は男性より「3か月〜6か月未満」における「10人以上」の数値10.4%を筆頭に、特に「10人以上」と回答をした人が多いのがわかります。つまりは男性よりも、出会っている人数が多いのは明らかでしょう。

出会えても、結婚までの道のりは険しい

本調査では、婚活を目的としたマッチングアプリ利用者を対象にしたアンケートの中で「マッチングアプリを通して、婚活の目的は達成されましたか?」という質問を投げかけ、「達成できた」「達成できなかった」の2択の回答をしてもらい、男女の違いに着目しました。

「達成できなかった」と回答をした男性のアプリの利用実態

まずマッチングアプリを活用して「婚活をしていた」と回答した男性は47名でした。うち、「目的を達成できなかった」と回答した男性は42名です(「達成できた」と回答した男性は5名)。

42名の男性の「活動期間」と「出会えた人数」をまとめたのが以下の表です。

上記の表は、男性の「達成できなかった」と回答をした人の割合を整理した表です。「達成されなかった」に回答者を絞った場合、利用期間は1年未満に回答が集中しているのがわかります。その中で最も目立ったのは「3か月未満」で「0人」の11.9%、「3か月〜6か月未満」で「1〜3人」の9.5%です。

これらの結果から、男性が婚活の目的を達成できなかった原因は、マッチングアプリを通して充分に出会えていないことが想像できます。

「達成できなかった」と回答をした女性のアプリの利用実態

マッチングアプリを活用して「婚活をしていた」と回答した女性は126名でした。うち、「目的を達成できなかった」と回答した女性は90名です(「達成できた」と回答した女性は36名)。

90名の女性の「活動期間」と「出会えた人数」をまとめたのが以下の表です。

上記の表は、女性の「達成できなかった」と回答をした人の割合をまとめた表です。女性も男性と同様で、利用歴が「3か月未満」「3〜6か月」に回答が集中しているのがわかります。女性で注目したい数値は「10人以上」です。「3〜6か月未満」では14.4%、「6か月〜1年未満」では6.7%と、「達成できなかった」と回答をした女性でも、明らかに男性よりも出会いの数が多いと判断できます。

このことから「婚活を達成できた人」≠「多くの出会いを経験した人」と言えるかもしれません。

結果的に女性は男性と異なり、達成されなかった原因に出会いの数は関係していないと予測できます。つまり、出会いがあっても結婚まではたどり着けないケースが目立ち、ミスマッチを繰り返している女性が多数いるとも読み取れるでしょう。

マッチングアプリは、新たな出会いの形として優れた機能を持ったアプリかもしれません。しかし出会いが増える一方で、婚活を目的とした人の利用者にとっては、苦戦を強いられている現状が判明したのではないでしょうか。

<調査方法>
インターネットによるアンケート調査
<調査期間>
2025年1月12日(日)〜2025年3月31日(月)
<調査対象>
マッチングアプリの利用経験がある男女
<回収サンプル数>
512名

ナレソメ総研

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執筆者 ナレソメ総研
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