医師が語る「産後うつ」にならないための夫選び鉄則5選「ハイスペ男」に潜んだ恐ろしい落とし穴
産後うつが原因で、乳幼児を遺して自死を選ぶ……。
そんな悲しいニュースが、時折私たちの耳に届く。我が子を腕に抱いたばかりという、人生でトップクラスに幸せな時間にもかかわらず尊い命が失われ、しかもこの少子化の時代に人口増加に貢献までした偉業を成し遂げた女性が、なぜ死に追いやられるのか。
そして、何度も何度もニュースになるにもかかわらず、どうして似たようなことが繰り返されるのか。
ニュースになるたびに、ネットで言及されるのは「夫」「家族」などの周囲のサポートの問題だ。
もしかしたら、こうした環境要因をケアすれば、産後うつにならずに済むかもしれない。もっと踏み込んで言えば、「夫選び」の段階から、産後うつになりやすい、なりづらいの分かれ目が存在しているのかもしれない……。
そんな疑問に答えるべく、今回は産婦人科医で、ナレソメ予備校卒業生向けサービス・イトナミにてナレソメmaternityを担当しているゆきこ先生に話を聞いた。
医療現場から見た産後うつのリアル、そして夫を選ぶ際の気をつけるべきことなど、今絶賛婚活中の女性、また将来妻を適切にサポートしたいと考える男性にとって必見の内容となっている。これを読めば、いずれ母親になりたいあなたや、父親として家族を支えたいあなたは、きっと明るい未来へ1歩踏み出せるはずだ。

ゆきこ先生/産婦人科専門医。ナレソメ予備校卒業生向けサービス「イトナミ」にて、妊活の知識や心構えをレクチャーしている。
産後うつは特別なことではない。まさか私が! と思わないで

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――産後、精神的に追い詰められるお母さんは多いと感じますか?
はい。精神的に追い詰められている、あるいはメンタルに不調をきたしている方は、残念なことに非常に多く、ごくありふれています。産後うつの有病率はデータによると約10%と言われており、10人に1人がかかる可能性があります。決して珍しくないんですよ。
さらに、産後に落ち込む、気分が上がらないなどのマタニティブルーは、産後の女性の30〜50%が経験すると言われています。これはいわば、「産後うつの手前」。2~3人に1人が経験するということで、誰にとっても人ごとではない問題です。
マタニティブルーの症状としては、ふとした時に涙が止まらなくなる、わけもなく泣いてしまう、小さなことでイライラしたり落ち込んだりする、気分のアップダウンが激しくなる、などが挙げられます。
「うつ」と名前がついていると、「まさか私が!」と考えてしまう人も多いでしょう。しかし、産後は「元気な自分」とは違う。自分が、もしくは妻が普段と違うかも? と思ったら、見て見ぬ振りをせず自分や配偶者の体調と向き合いましょう。産後うつは身近な問題だと認識しておくことが重要です。
――このような、産後の精神的な不調の主な原因は何でしょうか?
産後の精神的な不調の最も大きな原因は、出産後の女性ホルモンの急激な変化と考えられています。妊娠中に増加していた女性ホルモンが、出産後に急激に減少することが、心身の不調を引き起こす要因なのです。これは病気や本人の意思の弱さではなく、人体の仕組みとして起こること。
また、すべての産後の女性が、このホルモン変動によるリスクを抱えています。
その他にも、睡眠不足、育児疲れ、ストレスといった環境要因も不調を引き起こすリスクとして挙げられます。特に、パートナーの協力不足はリスクを高める大きな要因となります。
だからこそ、「自分が弱いからダメなんだ」「私の備えが足りなかったから」などと考えるのはやめましょう。あなたのせい、ということはありません。
普段から周囲と適切なコミュニケーションを。自己主張が肝要

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――精神的な不調を訴えるお母さんを、周囲(特に配偶者)が追い詰めてしまうケースはありますか?
はい、追い詰められてしまうケースは残念ながら多く見られます。妊娠中から産後にかけて、さまざまな形で相談をされることがあります。
例えば、つわりなどで体調が優れないときに、「なんでそんなに気持ち悪いの?」「俺の職場の人はちゃんと働いているのに」といった理解のない発言をパートナーからされるケースです。産後も、子どもが泣きやまない状況で「早く泣きやませてよ」「1日中家にいるんだからできるだろう」「なんで仕事もしていないのに、部屋が片付いてないの?」などと責められることがあります。
このような「私1人では何も解決できない」「誰も理解してくれない」という孤独感が、精神的な不調を悪化させ、最終的には自死につながる要因になることもあります。
その度に私は、旦那さんに理解してもらうということを目指しつつ、他の家族を頼れないか? お母さんや義実家、もしくは友人はどう? などと、頼る先を増やせないか提案しています。場合によっては、行政につなげることも。1人で抱え込んで自死に追いやられるというのが、最悪なケースなので。
――その他の、産後うつのリスク要因はありますか?
例えば、妊娠高血圧になってしまった方、赤ちゃんに先天的な異常などがありNICU(新生児集中治療室)に入っているといったケース、または早産なども、産後うつのリスク要因になりうると考えられています。
――出産する前からお母さん自身でできる、「周囲との関わり方」や「心構え」などはあるでしょうか?
これが、少し難しくて……。例えば、実母のサポートが手厚いと産後うつのリスクが減るというデータと、逆に減らないというデータが両方あるんです。また、国によって結果が違うことも。関係性や得られるサポートの内容にもよるため、周囲との関わり方においては、ケースバイケースなんですよね。
また、実母や義母が持っている「正しい子育て知識」が今の時代と乖離していることもあります。母世代の常識を押し付けられて、かえってストレスがたまってしまうケースもあるんです。
ですが、まずは本人も周囲も「出産後はあらゆる要素で心身の不調に陥りやすい」と認識しておくことが大事。こんな状態になるのが普通なんだ、と心構えを作っておくことで、対応やかける言葉が全然違ってくると思います。
旦那さんも、産後うつは本人の性格や弱さが原因ではなく誰しもがなりうるものだと認識していれば、「なんで赤ちゃん泣きやませられないの?」などと圧のある言葉をかける可能性が減るでしょう。
また、普段から自己主張ができるようになっておくことも大切です。自分のことを主観的に主張することも大事ですが、客観的なデータを調べたり健診の際に医師などの専門家に聞いたりして、その知識をもとに主張するとコミュニケーションがとりやすいでしょう。もちろんお母さん1人で頑張るのではなく、旦那さんや周囲の家族が思いやりを持って自発的に調べ物をして理解すべき、ということでもあります。
ハイスペ夫も「産後追い詰め夫」に変貌するかも。スペックより大事な指標は

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――夫選びの重要なポイントはありますか?
1つ目は、多くの女性が見落としがちかと思いますが……「そもそも、この男性は子どもを望んでいるのか?」というのをきっちり見極めましょう。
結婚したなら子どもは作るでしょう、と当たり前に考えず「あなたは子どもを望んでる?」と確認しておいた方が無難。子どもを望んでいない人の場合、無理に子どもを作っても、協力的になる可能性はどうしても下がるかなと思います。
以前、中絶手術をたくさん行っている医療機関に勤めていた時、意外なケースが相次ぎました。
中絶を望む女性というと、望まぬ妊娠をした10代が多いイメージかもしれません。ですが、30代やそれ以上など、いわゆる出産適齢期の女性の来院も多かったんですよね。
話を聞くと、女性は産みたいけれど、お相手の男性が子どもを望んでおらずおろしてほしいと頼んでくるパターンが少なくない。また、2人目や3人目を妊娠したけれど、夫が反対しているということも。「どうしても産みたい」と女性が押し切って産んだとしても、信じられないくらい非協力的なお相手男性との関係に疲弊して、うつ症状になる方もいます。
だから、結婚するのであれば油断せず話し合ってください。
その点、結婚相談所で結婚する場合「子どもについて」は必ずすり合わせる部分なので、安心ですね。
歩み寄りができる男性か、デートで見極めを!
2つ目は、歩み寄りができる男性を選ぶべきですね。
上記のケースでは、男性が「一歩も譲っていない」状況です。そのため、女性の希望や気持ちに寄り添って少しでも歩み寄ってくれる人かどうか? を見極めるようにしましょう。
例えば、デートの予定を立てる時にお互いに歩み寄れるかどうか確認してみることも手です。体調が悪い時、仕事が延びてしまって会えなくなったときなど、相手の男性がお世話をしてくれたり一緒にリスケの計画を立ててくれたりなど、思いやりのある言動をとれるかチェックしてみてください。

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3つ目は、2つ目とちょっと似ていますが……「当事者意識があるか」が大切です。当事者意識というのは、夫として、父親としてという意味ですね。妊娠出産ができるのは、女性だけです。その間、「じゃあ自分は何ができるだろう?」と妊娠を自分ごととして考えられる男性でないと、結婚生活を送るには厳しいでしょう。奥さんは2人を代表して妊娠してくれているんだ、おなかの子は自分の子どもなんだという当事者意識を持てるかどうかは非常に重要です。
これができていない人は、妻の妊娠中にたばこがやめられなかったり、妻に陣痛がきているのに家でお酒を飲んでいて立ち会いに遅れたりすることも。産後いきなり「相手のことは自分のこと」と当事者意識が芽生える男性は少ないですから、お付き合いしている最中から、デートの際などにお相手が自分優先ではなくパートナーを思いやれるか? を重視してみてください。
いくら高年収でも、協力的な夫でないと子育ては厳しい
4つ目は、「スペック」につられすぎないように気をつけましょう。
年収や学歴、見た目やデートのスマートさなど、輝かしいスペックがある男性は確かに魅力的に見えます。ですが、妊娠出産の時期や今後の結婚生活において大事なのは、必ずしもそれだけではありません。
例えば、すごく仕事ができて魅力的なハイスペ男性だったとしても、「仕事ができない人に厳しい」タイプなら、結婚生活は過酷です。妊娠出産を経て、妻が体調不良になったり家事ができなくなったり、仕事ができなくなったりした場合、「仕事ができない人」認定されて思いやりのかけらもない言葉をかけてくるかもしれません。
つまり、いくらスペックが良くても、思いやりがない人はNG。産後という弱った時期に、夫から優しい対応をしてもらえなかったときのストレスは想像に難くないでしょう。
5つ目は、体力がある人を選ぶと安心、ということです。産後の女性は、大幅に体力が減るもの。エビデンスはありませんが、体感で体力が半減するイメージです。
しかも、すぐに寝て回復するといったものではありませんし、乳幼児育児は睡眠時間の確保も一苦労。そこで、夫サイドも体力がないと共倒れになってしまいます。
子育てはどちらかが必ずしないといけないタスクが山積みですので、自分の体力に自信がない女性ほど、体力がある人を選びましょう。
4つ目とも共通しますが、ハードワークなハイスペ男性と結婚しても、仕事後の彼が体力が尽きてクタクタ……といった場合、とても子育てにコミットできませんよね。そういう意味でも、スペックにつられず、子育てができる体力的余裕、時間的余裕がある人を選ぶと安心です。もちろん、男女ともに体力作りをしておくことも大切ですよ。
まとめると、この人となら、心身ともにつらい時期や弱ったときでも安心して暮らせるかどうか? という視点を大事にお相手を選びましょう。産後は、普段の元気なあなたとは違います。いかなる状況でも、我が子を守り育て支え合うために、どんな父親になりそうかという目線を大事に婚活を。
オスとして魅力的な男性よりも、夫として父として頼れる男性を選んで、産後のメンタルを守ろう
女性ホルモンの低下や体力の低下、さらに慣れない育児や周囲の心無い一言で、お母さんは誰しもが産後うつになりうる。しかも、真面目な人ほど「私が弱いせいだ」「こんなこともできないなんて」と自責的に考えがちだ。
もちろん、産後うつはお母さんだけのせいではない。でも、そうならないための準備は、婚活中からできる。
将来の自分のため、そして我が子のためにも、「弱い時に支え合えるか?」「父として頼れるか?」を念頭に婚活してみるのがおすすめだ。
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ナレソメノート編集部


