Netflix「匿名の恋人たち」ネタバレあらすじ解説。赤西仁の色気爆発。だけど小栗旬も捨てがたい。

この記事を執筆した人▶︎yuzuka
恋愛エッセイスト・脚本家として活動。元精神科看護師と夜職の経験あり。Xのフォロワーは14万人を超え、多くの女性から支持を受けている。著書は『埋まらないよ、そんな男じゃ。』他3冊。原作提供・脚本には『五反田ほいっぷ学園』『愛の炎罪』『今、晒してます』がある。ナレソメノートの編集長。
X(旧Twitter)で話題沸騰中のドラマ『匿名の恋人たち』(Netflix)。
「小栗旬の恋愛映画だし、とりあえず見ておくか」と、育児の合間に軽い気持ちで再生したアラサーの私。
……が、赤西仁が登場した瞬間、悟った。
こりゃあかん。これは“ながら見”できる作品じゃない。
息子を寝かしつけてから、1人でじっくり腰を据えて鑑賞することにした。そこからがもう大変。再生しては巻き戻し、せりふと表情を見直してはもだえる、その繰り返し。結局、2晩かけてようやく全編を見終えたころ、私は確信したのです。
赤西仁の時代、令和にして再びきた。
今回は、なぜここまで私が『匿名の恋人たち』に大興奮しているのか。
冷静に、しかし熱をこめて、その理由を淡々と解説していこうと思います。
『匿名の恋人たち』のあらすじ
人気のチョコレートショップ「ル・ソベール」の新代表に就任し、誰もが羨むほどの順風満帆に見える人生を送る、日本屈指の大手製菓メーカーの御曹司・藤原壮亮(小栗旬)。だが彼は、実は“人に触れられない”という秘密を抱えており、恋愛はおろか社会生活にも度々支障をきたしていた。そんなル・ソベールを影で支えるのが、人並外れた腕前とセンスをあわせもった“匿名の天才ショコラティエ”イ・ハナ(ハン・ヒョジュ)。彼女もまた、幼い頃から“人の目を見ること”ができないという秘密を抱えており、人知れずチョコレート作りに勤しんでいるのだった。
ある日、そんな壮亮とハナが思わぬ形で出逢った時、互いに“触れられない”“目を見られない”はずのふたりに小さな奇跡が起きる。まさに“運命の出会い”かと思えたが、その性格は正反対で、度々ぶつかり合う2人。それでもまっすぐなチョコレートへの情熱をぶつけ合う中で、お互いの心は少しずつ変化していく。
※引用:映画.com「Netflixシリーズ「匿名の恋人たち」あらすじ、キャストまとめ【人物相関図あり】」
本作の主人公は壮亮とハナ。「人に触れられない」「人と目を合わせられない」という特性を抱えた2人が、なぜかお互いのことだけは受け入れられるという偶然から始まるラブストーリーだ。
不器用で、自分にも他人にも心を開くことができなかった大人の2人が、少しずつ “誰かを信じてもいい” という一歩を踏み出していくその様子は、まさに大人のラブストーリーと言えるだろう。キュンキュンした甘酸っぱさというよりも、むしろその不器用さやぎこちなさに、私たちは自然と共感し、応援したくなる。
また、本作の魅力は 何よりも彼女たちを取り巻く周辺の登場人物にある。
例えば、先述した赤西仁は、ハナの長年の片思いの相手として登場するジャズバーのオーナー、 高田寛役だ。もちろんそれまではハナが一方的に見ていただけで、直接的な接点はなかったものの、実は壮亮の友人だったというつながりから、2人は言葉を交わすようになる。ずっと憧れていた相手が目の前に現れ、目が合う……。「何か始まるかもしれない」その空気には、どうしてもドキドキしてしまう。
また、その寛と複雑な関係にある女性として登場するのがアイリーン(演:中村ゆり)だ。精神科医として働くかたわら、自身も不安定で酒癖が悪く、「1度寝た男とは2度寝ない」というポリシーのもとに寛を振り回す“ややこしい女”。絶対に現実世界では関わりたくないが、彼女の登場こそが寛の魅力を最大限に引き出しているのも確か。
何より面白いのは、登場人物全員が偶然のイタズラのように、あちこちで三角関係めいた雰囲気を形作っているところ。まさに「大人のラブストーリー」と称するにふさわしい、多層的な人間ドラマが展開されている。
『匿名の恋人たち』のキャストの魅力を解説
さて、本作の魅力はなんといっても赤西仁、そして小栗旬である。
ドラマを見終えたあと、私は思わず叫んだ。
「両方に言い寄られたら、どっちを選べばいいわけ!?」

絶対に起こり得ないシチュエーションなのに、答えが出せなくてモヤモヤして、気づけば友人にまでLINEを送っていた。私が頭を悩ませたこの“究極の選択”に登場する2人の圧倒的な魅力について、ここからじっくり解説していきたい。
赤西仁の魅力を解説。その色気、どうなっているんですか? って話。
聞いてなかったんですよ、これが“赤西仁にもだえるドラマ”だなんて。
私はもともとどちらかというと小栗旬ファンで、本作も小栗旬目当てでドラマの再生を始めた。
それが、赤西仁が登場した瞬間、思わず息子に手渡そうとしたうどんを床にぶちまけるところだった。
赤西仁といえば、平成を代表するアイドル。 KAT-TUNとしての活動はもちろん、当時は亀梨和也と並ぶ2大スターで、女子校に通っていた私の周囲では「カメ派? 仁派?」という話題が毎日のように飛び交っていた。
近年は雰囲気をがらりと変え、ソロのミュージシャンとして活動していたものの、私自身そこまで注目していたわけではない。黒木メイサさんとの離婚報道を見ても、「むしろ長く続いたな」とぼんやり思った程度。
だからこそ、今回のドラマで彼が現れたとき、まるで“昔の同級生に再会した”ような感覚に襲われたのである。
なんというのだろう、学生時代にモテモテだったチャラ男に、年齢を重ねてから再び出会ったような、あの不思議な胸のざわめき。いってみれば、学生時代にチヤホヤされていたけど、こちらとしては属性が違うからと距離をおいていた男子と、めちゃくちゃ年齢を重ねてからばったりとでくわした、そんな気持ちだ。
赤西仁はもう40代。それなのに老けるどころか、年齢を重ねたからこその深みと色気がある。無理に若作りするのでもなく、自然体のまま“いい男”になっている。あの頃チャラチャラしていたギャル男が、今や静かに女性を惹きつける大人の男になっている……。やばいやろ!
しかも、芝居と演出がずるい。
赤西仁って、こんなに芝居できたっけ? と正直驚いた。わざとらしさがまるでなく、まるで“そこに生きている人”をカメラが偶然とらえたようなリアリティ。わざとつけられたせりふやしぐさでキュンとさせるのではなく、存在そのものが色気なのだ。
例えば、酔ったアイリーンを部屋で介抱し、一夜明けたシーン。
手を出されなかったことに文句を言うアイリーンに、彼が何気なく差し出す朝食が完璧。
だし巻き卵にみそ汁、煮物? いまどき専業主婦でもここまで作らないぞというレベルの和朝食をさらっと出し、「なにこれ、おいしい」と言う彼女を、少しゆるんだ表情で見つめる。
「かわいい」とも「好き」とも言わない。ニコッとすら笑わない。でも、あの視線には確かに好意が宿っている。そこに、どうしようもなく惹かれてしまう。
もちろん、ビジュアルも反則。
当時と変わらない長めの髪をラフにセットし、眼鏡をかけた姿は、大人になった“赤西仁”のプライベートを想起させる。男前で、バーのオーナーで、料理もできる……現実にいたら絶対ろくでもないのに、このドラマの世界では“ろくでもなさ”だけをうまく除去している。
私たちアラサー女性が「こういうのが欲しかった」と思う要素が、全部詰まっているのだ。
おかしいな……。
最初は小栗旬目当てで見ていたはずなのに、気づけば赤西仁のシーンばかり巻き戻してループしている自分がいた。
やっぱり、私たちアラサーって、もう甘ったるいセリフやわざとらしい駆け引きにはときめけないんですね。欲しかったのは、こういう“リアルな色気”なんです。
今回のドラマで、間違いなく赤西仁は令和に舞い戻った。彼主演の恋愛ドラマが再び制作される日も、そう遠くない気がしている。
小栗旬の魅力を解説。みんな結局選んじゃうんだよ、旬を。
みなさんは小栗旬、好きですか? 私は好きです。
彼は年を重ねるたびに魅力が増していく、数少ない“奇跡の男性”の1人だと思う。
小栗旬といえば、映画にドラマにひっぱりだこ。刑事になったり、社長になったり、かっぱになったりと大忙しだが、恋愛ドラマでの主演は久しぶりだ。
ちなみに、私が思う小栗旬のいちばんのハマり役は『リッチマン、プアウーマン』(フジテレビ)の日向徹。いまだに見返すほど好きな作品だ。不器用で、社会になじめず、だけど内に秘めた情熱と、愛した女性にだけ見せるいちずさ。あのバランスがたまらない。
実は今回の『匿名の恋人たち』でも、それに近い“あの小栗旬”が見られる。
もうまさに、「小栗旬の使いどころ、よくわかってる!」という感じ。
素直になれず強い言葉をかけてしまったり、ぶっきらぼうな態度を取ったりしながらも、どうしようもなくハナに惹かれていく。ふとした瞬間におさえきれずに見せる笑顔や思いやり、漏れ出る心の熱さでにじむ人としての魅力。このキャラクターには、「これだよ、これ!」と心の中で拍手した。
正直言って、ヒロインのハナと同じく、序盤は寛(赤西仁)に心を奪われっぱなしだった。私なら、あの雰囲気の寛に突如として「yuzukaさんって、好きな音楽とかあるんですか?」と聞かれようでもしたら、それだけで付き合っている彼氏と別れ、脈あり判定を確認するためにYahoo!知恵袋に相談して、眠れない夜を過ごしたと思う。
実際、ハナもそうだった。壮亮(小栗旬)に言われたら悪態をつくようなお願いでも、寛にたったひとこと、「助けてやって」と言われると、途端にしおらしく「もちろんです」と受け入れて、壮亮を驚かせる。彼の発する言葉もしぐさも全部、それほどまでに“やばい”威力がある。完全に沼らせにかかってくるのは、間違いなく寛なのだ。
それでも、完璧すぎる男が目の前にいながらも、やっぱり気になるのは、こだわりが強くて不器用で、でも心の奥に熱を秘めた壮亮だというのもまた事実である。
ぶっきらぼうに見えて、誰よりも社員を大切に思う。
「もう知らない」と言いながら、本当は心配でフォローに駆けつける。
本当に怖いときには、「俺のことだけ見てろ」と全身で支えてくれる。
気づけば、“気になる存在”が“なくてはならない存在”に変わっていく。
眺めていたいのは、寛かもしれない……。でも、そばにいたいのは……。
そしてラスト、周囲の「ハナさんが好きなのは壮亮だ」という言葉で、テレビの前の私までハッとするのだ。
――そうだ、私が好きなのは壮亮。いや、旬だったんだ!
思い返せばこれは完全に『花より男子』の図じゃないか。あのときも花沢類は完璧だったのに、結局みんな道明寺を選んだ。女性はいつだって、不器用で、だけど自分だけにガムシャラな男を選ぶ。そういう生き物なのかもしれない。
まとめ
さて、少しは『匿名の恋人たち』の魅力、伝わっただろうか。
ひたすら赤西仁と小栗旬の魅力だけを語り、肝心の中身についてはほとんど考察していない記事になってしまった。
……でも、これでいいのだ。これが正解なのだということは、作品を見ればきっとわかる。
もちろん、ストーリーもおもしろい。だけどそれはあくまで“おまけ”だ。
このドラマは、赤西仁と小栗旬という2人の男を、最高においしくいただくための作品である。私のその感覚は、きっと間違いはない。
「気にはなるけど、この年齢で恋愛ドラマなんて……」と思っている人ほど、ぜひ見てほしい。これは、アラサーのための恋愛ドラマだ。心がくたびれた夜でも、ご飯が10杯は食べられるくらい満たされる。私を信じてほしい。

※画像はイメージです
注意喚起:赤西仁に沼りそうなあなたへ

最後に、どうしても一部の方に伝えなければならないことがある。
このドラマを見て、私と同じように赤西仁に沼りかけた、そこのあなたへ。
今回のドラマを見て久しぶりに女性ホルモンが刺激され、「よし、そろそろ恋でもしてみようか」なんて気持ちになったとしても、マッチングアプリを開くのは、どうかやめてほしい。
そこに赤西仁はいない。
仮にビジュアルやシチュエーション的に、寛(赤西仁)そっくりの“イケてる男性”が現実世界にいたとしても……残念ながら、ほとんどの場合はろくでもない。間違いなく洗面所にはイソップのハンドソープが置かれていて、それを使って何人もの女が手を洗っているし、あなたの「付き合って」をのらりくらりとかわして少しずつあなたの自尊心をすり減らせ、最後には何にも残らない結果となる。あの手のタイプの男は、誰にでも煮物を出す。そういうものだ。
現実世界でこのタイプの男性に本気で恋をしてしまう女性は、たいてい“一時的な恋愛”に依存している。今が楽しければそれでいい。キュンとすれば幸せ。それが全て。そう思って、目の前の“赤西仁風の男”に飛びつく。
あなたがまだ若くて、その瞬間を楽しみたいだけなら、それもいい。でももし、あなたが私と同じアラサーで、そろそろ将来を見据えた恋愛を考えているのなら……。
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ドラマはあくまでドラマ。
恋はスクリーンの中に置いて、現実では自分を守る選択を。
『匿名の恋人たち』を見終えた夜、私はそう心に誓った。

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