「同棲すれば結婚できる」は間違い? 調査データが示す、入籍カップルと破局カップルの決定的な違い

「結婚前のお試し期間として同棲は当たり前」「同棲すれば、自然と結婚に至るはず」
このように、同棲を結婚へのステップとして考えているカップルは非常に多いのではないでしょうか。

しかし、その「常識」は覆されるかもしれません。

結論から言えば、「なんとなく始めた同棲(スライド同棲)」は、結婚を近づけるどころか、むしろ破局の確率を大幅に高めることが示唆されたのです。

本記事では、調査データをもとに、入籍に至るカップルと破局してしまうカップルの間にある「決定的な違い」を分析します。

同棲期間が長いほど「破局率」が上昇する

まず、同棲期間と、その後の恋人関係の結末(入籍・継続・破局)を調べたデータをご覧ください。

このグラフは、同棲期間が長くなればなるほど、入籍できる確率が下がり、破局する確率が上がっていく傾向を明確に示しています。

特に、同棲期間が2年を超えると入籍率が3割台まで落ち込み、破局率が6割を超えるという、非常に厳しい結果となっています。

「一緒に住んでみないと分からない」と考える人は多いですが、その「お試し期間」が長引くほど、2人の関係は「入籍」ではなく「破局」に向かってしまうようです。

なぜ同棲が長引くと破局するのか?

なぜ、同棲が長引くと結婚が遠のいてしまうのでしょうか。それは「同棲生活そのものが快適になってしまう」からです。

2人で住めば、家賃や光熱費、家事の負担は独り暮らしより楽になります。その「同居パートナー」という関係が固定化されると、そこから「入籍(家族になる)」という、さらにコストのかかるステップへ関係性を変化させることが「面倒」になってしまうのです。

男性がよく口にする「今と(入籍して)何が変わるの?」という言葉は、まさに関係性が膠着してしまった状態を表しています。

「いつかは結婚するだろう」と具体的な約束がないまま同棲を始めてしまうこと(いわゆる「スライド同棲」)こそが、関係を停滞させ、最終的に破局へと導く大きな原因となっているのです。

「同棲前」の行動が結果を分ける

では、無事に入籍できたカップルは、破局したカップルと何が違ったのでしょうか。
決定的な違いは、「同棲を始める前に、何をしていたか」にありました。

この表は、同棲前に特定の「結婚行動」を取っていたかどうかを、入籍・破局・継続の3グループで比較したものです。

注目すべきは、右端の「入籍/破局 倍率」です。この数値が高いほど、その行動が入籍につながりやすいことを意味します。

【入籍に直結した行動】

  1. 入籍日を具体的に決めた:6.61倍
  2. 指輪を購入した:4.80倍

「結婚の話をした」(2.23倍)や「親挨拶をした」(2.00〜2.52倍)といった曖昧な行動よりも、「入籍日」や「挙式日」といった、2人の間で具体的かつ明確な約束事を決めていることの方が、圧倒的に入籍に結びついていることが分かります。

一方で、破局したカップルに着目すると、「いずれも行っていない」が48.5%にのぼります。結婚を具体的に見据えていない同棲は、最終的に破綻する可能性が高いといえます。

入籍したカップルの9割が「決めていた」こと

この違いは、次のグラフでさらに明確になります。

同棲前に「結婚の話をした」と「入籍日を具体的に決めた」の両方を行ったカップル(回答数:80)は、そのうち90.0%が入籍しています。

一方で、そのどちらも(あるいはいずれか一方を)行わなかったカップル(回答数:303)は、入籍率が53.1%に留まり、実に 46.9%が破局しているのです。

このデータが示すのは、「同棲したから結婚した」のではなく、「(入籍日を決めるほど)結婚することを固く誓ったから、その準備として同棲を始めた」という事実です。

結婚したいなら「なんとなく同棲」は今すぐやめるべし

今回の調査結果は、結婚を望む人にとって非常に重要な示唆を与えてくれます。

  • 同棲は「結婚のお試し期間」ではない。長引けば長引くほど破局の可能性が高まる。
  • 「いつか結婚できたらいいね」といった曖昧な期待を込めた「スライド同棲」は、最も破局しやすい危険な選択である。
  • 入籍に成功したカップルは、同棲を始める前に「入籍日を具体的に決める」という明確なステップを踏んでいる。

もしあなたがパートナーとの結婚を真剣に望んでいるのであれば、「お試し」で一緒に住み始めるべきではありません。

最も結婚に近づく方法は、まず2人で「結婚の話をし」、そして「入籍日を具体的に決める」こと。そして、その「準備期間」として同棲をスタートさせることです。

その順番を間違えなければ、あなたの同棲は入籍という幸せなゴールにつながるはずです。

<調査方法>
インターネットによるアンケート調査
<調査期間>
2025年10月6日(月)〜10月15日(水)
<調査対象>
成人男女
<回収サンプル数>
945名(男性315名、女性630名)
※うち262名の同棲経験者の回答を主に分析

ナレソメ総研

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執筆者 ナレソメ総研
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