ヒカル×ノアのオープンマリッジ騒動から考える「結婚のメリット」。自由なハーレムは本当に幸せか?

《これから僕たち夫婦はオープンマリッジで生きていきます。簡単にいうとお互いに浮気オッケーの関係です。》

YouTubeとX(旧Twitter)上でこう宣言したのは、YouTuberのヒカルさん。
妻は有名キャバクラ嬢で社長、インフルエンサーでもある「進撃のノア(以下ノア)」さんだ。

ヒカルさんのYouTube登録者数は482万名(25年10月現在)と、その人気ぶりがうかがえる……のだが、実は以前の登録者数は500万人を超えていた。

なぜ、一気に20万人もの登録者が減ったのか。
それが、冒頭の「オープンマリッジ宣言」の影響だという。

「交際0日婚」から4か月での「オープンマリッジ宣言」

そもそも、「交際0日婚」だと話題になったノアさんとの結婚が今年5月のこと。
そこからたった4か月後に、「ハーレムを作りたい」「他の女の子とも遊びたい」と赤裸々に語るヒカルさんの姿は、ネット上で男女ともに大ひんしゅくを買ったのだ。

《結婚宣言した時はノア一筋みたいなこと言っててかっこいいと思ったのに、見損なった》
《流石にファンでも擁護しきれない。ダサい》
《ノアちゃんは納得してるのかな。それが1番心配》

SNSなどでこうした声が上がる中、妻のノアさんはヒカルさんとともに、ヒカルさんの動画内で経緯についてこう話していた。

ヒカルさんが明かした“ハーレム願望”について、ノアさんは「私はそのハーレムに入りたくない」と返答。
しかしヒカルさん側は「ノアがそのハーレムにいないと意味がない」とし、なんと7時間以上にわたる話し合いが行われたそうだ。

結局、ノアさんは「お互いが同じことしてるなら、同じ土俵なら、なんでもいい」という結論に落ち着き、ヒカルさんの提案を受け入れたと説明していた。

その後、ノアさんも自らのYouTubeチャンネルで心境を公表。現状、ヒカルさんとの離婚などは考えておらず、心から幸せだとも語っている。

……果たして、本当に幸せなのだろうか。
「ヒカル君に本当に嫌なことをされたらやり返すし」と事あるごとに話すノアさんだが、果たしてそれは夫婦の関係として適切なのだろうか。
動画のコメントでも批判は相次ぎ、ノアさんに対して「かわいそう」「痛々しい」などの意見も絶えない。

なぜ、結婚してまでオープンマリッジ宣言をしたのか。
どのような心理で、このような状態になっているのか。
ヒカルはなぜ、ああなったのか……。

今回は、ますます深まるヒカル・ノア夫婦の謎について、恋愛エッセイストのyuzuka恋愛心理学者の山崎が、ひざを突き合わせて分析してみた。

ヒカルはなぜオープンマリッジを求めた? 承認欲求と目先の満足感

yuzuka:さて、今日はヒカルさんとノアさんの事案について深掘りしていきたいのですが……改めてヒカルさんの経歴を調べてみると、彼は兵庫県の田舎出身で、高校卒業後は地元の工場で勤務していたんですよね。
動画投稿をしたきっかけとして「人気が欲しかったから」と本人が打ち明けている通り、現状のインフルエンサーとしての活動自体の原動力が承認欲求であることがうかがえます。
加えて私の印象として、彼が有名になる前って、決して特別目立つタイプではなかったと思うんですよね。
だからこそ有名になった今、とにかく目立ちたい。
過去に思うように承認欲求を満たせなかったからこそ、動画が成功してヒットした今、自分の力を誇示してメリットとしてさまざまなことを受け取りたい……と、もがいているように見えるんです。

かつて行き場がなかった承認欲求が、今になってものすごい勢いで暴れ出している。その結果が、今回の騒動ではないのかなって。

山崎:その印象は結構当たっていると思います。もともと「認められたい」「目立ちたい」という気持ちが強いほど、結婚したとしても、奥さんだけでなく他の異性からも認められたい、求められたいという気持ちが強まる傾向があるんですよね。
ちなみに「高卒男性が大卒男性よりも不倫をしやすい」というデータがあり、さらに「男性のほうが女性より年収が低い場合も不倫しやすくなる」傾向があるんですよ(※)
※出典:五十嵐 彰(2018)誰が「不倫」をするのか 家族社会学研究,30,185–196.

yuzuka:動画の登録者が数百万人いても満たされないのか……。
登録者も多いし、ヒカルさん的に自分史上最強の美女であるノアさんと結婚できても、まだ満たされない。
寄ってくる女の子たちと「セックスできる」というメリットを捨てたくないんでしょうか。まるで子どものように、目先の利益や欲求を我慢できないようにも見えます。

どういう理由であれ、私はあの「オープンマリッジ宣言」に強い嫌悪感があるのですが、山崎さんは、彼がどうしてあのような選択肢を取ったんだと思いますか?

山崎:彼は、わかりやすいメリットしか見えていないんだと思います。
従来の結婚生活の楽しみって、「ある程度の物理的制約」の中で感じられるものなんです。しばりの中で達成感や満足感を得るものなんですよ。

たとえ自分が自由に使えるお金が減ったとしても、子どもを育て、「自分の遺伝子を残せた」という長期的な充実感を得られる。また、他の女性と会う機会がなくなったとしても、奥さんと良い関係を長く築いた満足感がある。これらが結婚生活の大きな醍醐味なんです。

でも、ヒカルさんはこのような長い目で見た幸福を知らない。
今まで独身時代に味わってきた欲求の満たし方しか知らないし、わかりやすいメリットしか見えていないから、結婚によってそれを失いたくないんです。
だからこそ「妻がいると他の女性と関係が持てなくてストレス」「ハーレムを作りたい」などという発想が生まれてくるんだと思いますよ。

ドーパミンによる高揚の切れ目で出てきたオープンマリッジ

yuzuka:それを聞くと、ますます「じゃあなんで結婚したの?」って思っちゃいますよね。ネットでも「セフレでいいじゃん」「子どもが不幸になるから子どもは作るな」なんて声も出ていて、目も当てられません……。

あとはね、私はこの疑問に対して仮説を立てていて……。おそらく、ヒカルさんは当初は「俺はノアに一途になれる!」と本気で思っていたんじゃないですかね。
ノアさんと相性が合うし、一緒にいて楽だと思ったというのも本当だと思うんです。
「俺クラスの男が結婚する。しかも美人インフルエンサーと」という高揚感もあり、それだけで1つのコンテンツにもなると前向きに考えていた。
ある種、「結婚」というイベントへのドーパミンが、ドバドバ出てたんじゃないでしょうか。

ところが、やっぱりご多分にもれずに数か月で脳内麻薬が切れてしまった。
そこから今までの恋愛と同じで、性欲やさまざまな欲求が満たされなくなって、「ノアと一緒にいる心地よさを手放したくない」+「でも他の女の子とも遊びたい」=「両取りする!」という結論を出してしまったんじゃないかなって。

それが思いの外、世間から大不評だった……。山崎さんはどう思いますか?

山崎:僕としては、ヒカルさんは典型的な「結婚がゴール」だと思っている男性だと感じますね。結婚したんだからもういいだろ? っていう感覚です。
男性に多いとされていて、モラハラっぽく受け取られやすいですね。

とはいえ、一般的な男性たちは、たとえこの傾向があっても、社会的信用のために一定は心を制御するんですよ。
奥さんの話をただただ聞き続けるのはきつい、家のことなど気にせずゲームでもしていたいと、内心で考えている男性は山ほどいる。
けれど、「結婚するって決めたのは自分だし、ここで自分勝手に振る舞えば印象が悪い。長い目で見て奥さんがいないとやっぱりダメだから、話はきちんと聞いておこうか」と表面上は自制している人がほとんどです。

一方で、ヒカルさんは自分の心をコントロールできず、「結婚したせいで女と遊べない」といった他責思考に陥っている。内省できない、心の弱い人ということになります。
少しでも未来のことを考えたり、自分の内面と向き合ったりすれば、自分がいかにおかしな言動をしているかわかるはずなのに。

yuzuka:確かに、ヒカルさんには「一歩進んで考えた形跡」がないですね。
ヒカルさんくらいの立ち位置の男性なら、「もっと遊びたい」って考える人は多いと思うんですよ。「結婚はして安定を手に入れつつ、ハーレムを持ちたい」ってのも、願望としては特殊ってわけでもない。
でも、わざわざ結婚した上で、オープンマリッジを宣言した人はいないわけですよね。その理由は、みんないったん立ち止まって、どんな反応が返ってくるか考えているから。
ヒカルさんはそこを考えることができなかったから、ああなったんでしょうね。

山崎:そうですね。結婚という大きな決断をした後に、自分の気持ちが変化したにもかかわらず、その変化のリスクをノアさんに押し付けた形になった。内省が足りないだけでなく、合意形成の手順そのものにも問題があったと言えます。

yuzuka:後出しじゃんけんで「オープンマリッジがいい」と言い出したことも、わざとじゃないんだろうとは思います。
ですが、最初から「オープンマリッジ」を前提としたプロポーズだったら、果たしてノアさんは結婚をOKしていたのかどうか。すでに籍を入れた状態からNOを突きつけるのはなかなか大変ですから。
ノアさん側がすでに「結婚そのものに合意した」という状況に、ヒカルさんが「つけ込んだ」ようにも見えるんですよね。

山崎:営業や交渉でよく使われる「フット・イン・ザ・ドア」というテクニックに近いですね。小さな合意(結婚)を先に取りつけてから、より大きな要求(オープンマリッジ)を出すことで断りづらくする手法です。人は「過去の言動と矛盾しないように行動したい」と無意識に考える心理的な傾向があり、心理学では「一貫性の原理」と呼んでいます。
ヒカルさんが意図的に行ったのではないにしろ、結果的に悪徳営業マンのような交渉になってしまった。
今回の件に世間が強く反応したのは、自分も過去に同じような「不本意な合意」してしまった嫌な記憶が刺激されたためかもしれません。

ノアは本当に「幸せ」なのか。受容・許容と意地のわな

yuzuka:実は、私がより心配しているのは、ノアさんのほうなんです。
彼女はいろんな動画でヒカルさんとのことを聞かれるたびに笑顔で説明し、「幸せ」だと話していますが……そもそも、オープンマリッジについてヒカルさんと7時間押し問答して、信頼する綾田社長(ノアさんが社長を勤めるキャバクラが所属するエースグループの社長)まで呼び寄せている時点で、諸手を挙げて賛成しているわけではないですよね。

私は、ノアさんのような女性を何人も見たことがあります。
女友達全員から「そんな男やめときなよ」って言われても、謎の理論を展開して付き合い続けて、いつもダメ男とばっかり付き合っているような子……。
ノアさんの押しに弱い感じというか、受容力というか、ある種の「素質」のようなものが、ヒカルさんのダメさ加減に拍車を掛けているのを感じてしまうんですよね……。

山崎:確かに、あの7時間の話し合いの中でノアさんは自分では結構抵抗したつもりかもしれないけれど、本当に強く言えたかどうかは定かじゃないですよね。
結局、ヒカルさんが折れないことがわかって、彼女も受け入れてしまっているし。

yuzuka:そうなんです。最初からヒカルさんに、「俺、ノアにこんなことを言ったら捨てられるかもしれん」と思わせられるくらいの女性じゃないと、たぶんヒカルさんのことは制御できない。
もちろんヒカルさんが悪いんですが、ノアさんも優しすぎるというか、許しすぎているというか……。

ノアさんは「今までクズ男にばかり引っかかってきている」と言っていて、ヒカルさんもそれを知っているわけですから、ヒカルさんの中でノアさんは「そういう女性」だとラベリングされているんじゃないですかね。
「どうせノアは言うことを聞くし、俺のことを受け入れるだろう」って思われている感じがして。
だから、この2人の組み合わせだと、どう転んでも自然と今のような形になってしまったんじゃないかなって思うんですよね。

山崎:いわゆる、ノアさんが「ナメられている」状態ですね。
むしろヒカルさんが、ノアさんのことを「ナメていいタイプ」だと思って結婚している。
あの7時間の話し合いであんなに粘ったなら、そのまま粘り倒したほうが絶対によかった。

「納得しました」と言いつつも、「やられたらやり返す」、「浮気相手とのやりとりを見るのは、嫌な気持ちになる」とも言っている。
つまり心からオープンマリッジに納得しているわけじゃない。

自分が嫌だと思うならその気持ちを貫き通したほうがいいし、折れてしまうと男性のモラハラ的発想を助長してしまうんですよ。

yuzuka:しかもノアさんって、「今すぐにでも子どもが欲しい」っていうタイプだったはずなんです。それが今回の騒動を受けて、「今は子どもを産まない」と、180度意見を変えているわけです。

これって相当大きな決断ですよ。
子どもが欲しいのなら、ハーレムを形成する夫は不適切。「じゃあヒカルさんとの結婚生活をやめよう」という思考回路になってもおかしくないのですが、ノアさんはかねてからの希望だった子どものほうをあきらめてしまった。

山崎:典型的なメンヘラの思考回路ですね……。

yuzuka:そもそも、本当にヒカルさんがノアさんのことを愛しているなら、こんなことを言わせるわけがないと思ってしまうんです。
夫の性欲のために子どもをあきらめる。愛する女性にとんでもない選択をさせているわけで。

それでいて、「ノアもハーレムに入ってほしい」とまで交渉した。どんだけノアさんのことをナメてるんだという話です。
ノアさんはいろんなところで「幸せ」と発信していますが、自分に言い聞かせているようにも聞こえます。
選択した以上、意地になっている。こんな状態で、結婚後の生活が今後何十年も幸せだとは到底思えないんですよね……。本当にいいの? って……。

意地とサンクコストが「結婚メリットの不均衡」を見えなくする

山崎:この2人の結婚のメリットですが、ヒカルさん的にはいろいろあると思うんですよね。
承認欲求や所有欲が満たされて、ノアさんは彼史上最強の女性なのでトロフィーワイフでもある。そのうえ、オープンマリッジも認められたから女遊びも我慢しなくていい。

でも、ノアさんからしたら、何がメリットなのかわからない。彼女は社長でもあり、お金もたくさんあるじゃないですか。
一般に結婚が持つ「受容される経験」「安心して家族を形成できる」といったメリットも、今はなくなってしまった。
もはや、「ヒカルのことが好きだから」しか結婚している理由はないと思いますが、果たしてずっと好きなんでしょうかね。

yuzuka:さっき言ったようにノアさんも意地になっている部分はありますよね。
ヒカルさんはすでにSNSで、女の子を両腕に抱えているハーレムをにおわせる写真を投稿していますが、ああいう類の写真や動画がアップされるたびに、ノアさん自身も「あんな男にだまされて……」と、言われてしまうわけです。

ノアさんはそのたびに意地になって、「彼にはいいところもあって〜」と弁解することにはなると思うのですが、どこかでプツンと糸が切れるんじゃないのかな。

山崎:それでもまだ彼が好きなのだとしたら、サンクコスト効果のせいかなと思います。
自分がコストをかけた分、それが「いいもの」のように思える、思い込みたい、というものです。
投資した以上、回収するまで絶対にやめないぞ! と思ってしまう心理状態ですね。

yuzuka:確かに。結構、似たような感じの女の子っていますよね。
「そんなことをされてなんで別れないの? なんで好きなの?」って聞くと、「ここまで我慢したのに、他の女に取られたくない」って泣くとか。
「私しか彼を受け入れられない」と思い込んでいるパターンも多々あります。DV男にしばられてしまっている人も、実は非常にそのケースが多い。

私だけが彼を理解できる、私たちは特別だから……。ノアさんも、これに近しい発言を動画でしていたことがありますよね。
山崎さんはズバリ、このような状態で、健全な結婚生活は続くと思いますか?

山崎:やっぱり厳しいでしょうね。
ヒカルさんは結婚の目的をおおむね果たしてしまっているんですよ。ノアさんは「今から回収するぞ」って思っているけど、ヒカルさんはおそらく違う。

だからたぶん、タイミングが来たら離婚すると思います。「離婚自体も、もはや俺の人生のストーリーの1個だよな」とヒカルさんが消化できたとき、離婚を切り出すんじゃないでしょうか。

結婚生活は続くのか。離婚すらコンテンツ化される未来予想図

yuzuka:確かに今離婚すると、ヒカルさんにとっては「負け」ですもんね。
まだ新婚で、オープンマリッジが批判されたから批判に屈して離婚したと捉えられかねない。
でも、1年も経てば、「俺はやっぱ結婚に向いてなかった。傷つけてごめんな。俺は新たな方向にかじを切ってすてきな世界に行くぜ!」みたいな方向にシフトチェンジして、きれいに終わらせられちゃう。

山崎:絶対に「大切なご報告があります」って離婚会見動画を上げますよ……。

yuzuka:ノアさんにも、「納得してる。幸せだった」って言わせるかもしれないですね……。2人で結婚を満喫した、みたいな雰囲気を出して……。

それに、ヒカルさんは離婚したとしても「おいしい」んですよ。一度結婚したことで、「結婚は別にせんでええ」みたいなポジショントークもできるようになる。
私の予想では、そのうち再婚して子どもを作るんじゃないかなって思っています。
人生そのものがコンテンツである彼にとって、「子どもを持つ自分」を逃すとは思えない。育児本も出しそうです……。
だけどその相手は……ノアさんではない。私の予想が当たってしまったら、悲しい話です。

ノアさんに限らず、今の彼氏がモラハラっぽいとか精神的DVっぽいとか、そう感じている女の子がいたら、いったん冷静になってほしいとは思いますね。
「私だけが彼を理解できる」というのは幻想。意地にならないで、本当に幸せ? と自分に問い直してほしいです。

属性と価値観の差にノアが「気が付く」パターンとは

yuzuka:とはいえ、現実的な予想として、私は「ノアさんが気が付く」説にかけたいです。

山崎:つまり?

yuzuka:ノアさんって、幼少期から毎年ビジネスクラスで家族で海外旅行に行っていたり、クラシックバレエなどいろいろな習い事に取り組んだり……留学経験もある。
つまり、彼女は「いいとこのお嬢さん」なんですよね。
それに加えて、圧倒的コミュ強で「陽キャ」。楽しそうにクラブで踊っていたり、仲間と笑いあったりしているシーンも多い。そもそも仕事柄、誰とでも仲良くなれる素質があるわけです。

一方でヒカルさんは、あくまで一般家庭出身。今までの経歴や性格から見て、ノアさんとは属性が違うんではないかなと感じるんですよね。
私は、ヒカルさんは、今のステータスだからノアさんと出会えた、と思っています。
昔のままだったら、彼は絶対に彼女に会えていないし、会えても相手にされなかったと思う。

ノアさんは今のヒカルさんと出会っているから「すてき!」と思っているかもしれないけれど、どこかで「あれ? この人ってそんなにいい男?」って気づくかもしれないですよね。
ノアさんは夜の仕事でいろんな人を見てきているわけだし、あるとき冷静になって、「大したことないのにナメられてるじゃん」と気づいてしまったら、展開が変わる可能性もあります。

山崎:確かに。そういった属性の違い以外にも、2人の価値観も結構違うと感じます。あまり価値観というふんわりしたワードを使いたくないですが(笑)、ヒカルさんは今まで抑圧されてきた経験から、わかりやすい脚光や承認を求めていますよね。
ですが、ノアさんは人とのつながりや1on1のやりとりに重きを置いているようにも見える。自身の動画チャンネルでも、キャバクラのキャストの女性と真正面からぶつかっていっている様子もあります。

この差って、ヒカルさん自身が悪いというよりも、生育環境や育ちの違いから生まれるものだから、ギャップを埋めるのは難しいですね。
わかりやすく言うと、ヒカルさんは自分が主人公のときにしか輝けない。でもノアさんは、脇役だったとしても勝手に楽しんで輝くことができる。
この差は大きいです。

yuzuka:ノアさんがすごく注目されて、いわゆる主人公的な輝き方をしても、ヒカルさんは「さすが俺の嫁」とはならずに「悔しい」と思ってしまいそうなのがまた……。憶測ですけどね……。

まとめ:「言いつつ、言われつつ」の深い人間関係にこそ人間の幸福がある

yuzuka:さて、このまま突き進むと、ヒカルさんは中居(正広)さんのような結末になる危険性があると思うんですよ。

すでにドーパミン中毒でおかしくなっていて、長期的な妻との関係よりも目先の性欲を優先してしまったり、明らかに批判される内容の発信をしたりしてしまう。
確かに20万人登録者が減ったけど、それでも批判という形で注目されているわけで、本人にとっては承認欲求が満たされ続けてしまっているから、どんどん中毒が助長されていきそうで。

山崎:その通りですね。だからこそ、1年くらい動画を出さないで、感覚をリセットしたほうがいいです。
ああいうふうに承認を求め続ける生き方も1つの選択ではありますが、人間という生き物の「幸福観」からはかけ離れています。
人間がどんなときに幸せを感じるかというと、「いい人間関係に囲まれている状態」なんです(※)
※出典:Waldinger RJ, Schulz MS.(2010)What’s love got to do with it? Social functioning, perceived health, and daily happiness in married octogenarians. Psychol Aging, 25,422-31.他多数

いい人間関係とは、「持ちつ持たれつ」「言いつつ、言われつつ」。
夫婦関係で言うと、例えば妻は夫に「電気つけっぱなしにしないでよ」と言いつつ、稼いできてくれることに感謝している。夫は妻に「電気消し忘れてごめんね」と言いつつ、でも家族のために頑張ることに満足している……といったことです。
人に見えづらいところで、深い人間関係がある。これが人間の幸福につながるということを、我々は人生のある段階でなんとなく気づくんですよね。

大学生のときにバカ騒ぎして承認欲求のためにSNSで大暴れしたとしても、あるときにふと「これじゃ本当の意味で満たされない」と気づいて、自然と変わっていくものですが、ヒカルさんにはまだその瞬間が来ていないようにも見えます。

yuzuka:小さな幸せだけど、それが本当の幸せなんですよね。
両手に女の子を抱えて「ウェーイ」ってやっている30代、そのまま年を重ねて本当に幸せか? 本当に?
もちろんそれで幸せなら彼の選択なので自由ですが、ちょっと冷静になってほしいですね。
たぶんヒカルさんは、もっとフォロワーが減って、バッシングを受けて、味方だった人が全員離れていくくらいにならないと気づかない気もします。

でもつくづく思うんです。老後に、浅く築いた人間関係なんて何も残らない。1on1の人間関係を、どこかで習得してほしいなって……余計なお世話ながら、そんなことを思いましたね。


――ヒカルさんは最新の動画で、「初心にかえる」として、地元に帰り家賃6万円のアパートで生活する様子を発信している。
今回のオープンマリッジをめぐる一連の騒動や止まらない登録者減は、果たして彼に何か気づきを与えたのだろうか。もしくはこれは、マイナスイメージを一新するための戦略なのだろうか。……動画内に、ノアさんの姿はない。

どんな人生が、自分にとって本当に幸せなのだろうか。一瞬の注目やモテは、穏やかな結婚生活よりも心を満たしてくれるのか。
この問いに、NOだと答えられる人のほうが読者の中には多いだろう。
本当に自分を大事にしてくれる、向き合ってくれる人と幸せになるためにも、「自己理解」を軸に婚活できるナレソメ予備校でお相手を探すことをおすすめする。

ナレソメノート編集部

yuzuka
恋愛エッセイスト・脚本家として活動。元精神科看護師と夜職の経験あり。Xのフォロワーは14万人を超え、多くの女性から支持を受けている。著書は『埋まらないよ、そんな男じゃ。』他3冊。原作提供・脚本には『五反田ほいっぷ学園』『愛の炎罪』『今、晒してます』がある。ナレソメノートの編集長。
恋愛心理学者・山崎
富山県出身。筑波大学卒業。在学中から「恋愛心理学」を研究し、特に遠距離恋愛や関係継続、自己肯定感の分野を得意とする。認定心理士・メンタルヘルスマネジメント検定Ⅱ種を保持し、恋愛を起点としたQOL向上のノウハウを武器に、教育機関や企業の人事領域で講演・相談支援を行うなど幅広く活動。自身も2度の遠距離恋愛や婚約・婚約破棄を経験し、その学びを生かして年上シングルマザーとの年の差婚を果たす。現在は幸せな生活を送りながら、恋愛心理学の知見を社会に還元し続けている。

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