復縁に冷却期間は必要? 未練を手放すための4ステップ
※本記事は復縁を推奨するものではありません
恋愛や婚活、そして結婚後のパートナーシップ。人生のステージごとに尽きることのない、多種多様なお悩み。
本連載『山崎先生の恋愛・婚活お悩み相談室』では、そんな恋愛・婚活・パートナーシップに関するお悩みについて、ナレソメ予備校の恋愛心理学者・山崎独自の視点と科学的なデータをもとに解決策を提示します。

恋愛心理学者・山崎
富山県出身。筑波大学卒業。在学中から「恋愛心理学」を研究し、特に遠距離恋愛や関係継続、自己肯定感の分野を得意とする。認定心理士・メンタルヘルスマネジメント検定Ⅱ種を保持し、恋愛を起点としたQOL向上のノウハウを武器に、教育機関や企業の人事領域で講演・相談支援を行うなど幅広く活動。自身も二度の遠距離恋愛や婚約・婚約破棄を経験し、その学びを生かして年上シングルマザーとの年の差婚を果たす。現在は幸せな結婚生活を送りながら、恋愛心理学の知見を社会に還元し続けている。
今回のお悩み
先日、お付き合いしていたパートナーと別れました。まだ相手のことが好きで、復縁を望んでいます。
復縁について調べると「冷却期間を置くべきだ」という情報をよく目にしますが、連絡を絶つことで相手に忘れられてしまうのではないか、新しい恋人ができてしまうのではないかと不安でたまりません。
復縁したい場合、どうすれば良いでしょうか? 冷却期間は本当に必要なのでしょうか?
復縁するために必要なことや会えない期間にやるべきことを教えてください。
「元恋人と復縁したい」
そう願う時、必ずと言っていいほど耳にするのが「冷却期間(相手と会ったり連絡を取ったりせず距離を置く期間)」という言葉です。
本当に時間を置く必要があるのか? どのくらいの期間が必要なのか? そして、破局後の失恋から立ち直るにはどうすればよいのか? 恋愛心理学者・山崎がエビデンスをもとに語ります。
復縁に「冷却期間」は絶対に必要なのか?
山崎:結論から言うと、本当に復縁して幸せになりたいのなら、冷却期間は絶対に必要です。
理由はシンプルです。そもそも、冷却期間のない復縁は結局また同じ末路(別れ)をたどるからです。
一度別れることになった関係性を、冷却(=変化)させずにもう一度やり直しても、何も変わっていません。別れるに至った2人の事実を変えるための時間が、冷却期間なのです。
「私にはあの人しかいない」は錯覚?
復縁したいと強く願う時、多くの人は「私にはあの人しかいない」と思い込んでいます。しかし、人生においてベストパートナーが1人ではないのと同様に、ベストな相手は何人もいるはずです。
それなのに唯一無二だと思ってしまうのは、心のよりどころとなっていた「情緒的サポート源」のポートフォリオが崩れてしまったからに過ぎません(※)。情緒的サポートとは「話を聞いてもらう」「肯定してもらう」「一緒に過ごしてもらう」「スキンシップをしてもらう」などを指します。
※参考:「山下倫実・坂田桐子(2008)大学生におけるソーシャルサポートと恋愛関係崩壊からの立ち直りとの関連」
情緒的サポートをくれた人間(=元恋人)に関係するポートフォリオの(情緒的サポートの)配分・構成を整理し、冷静な状態で「本当にその人と復縁したいのか」を考える時間が不可欠です。ポートフォリオの整理とは、例えば元恋人の連絡先を消す、元恋人および共通の知人・友人とつながっているSNSのアカウントを削除して作り直す、などです。
▶︎情緒的サポートについて、より詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください
「復縁したい」という思いは、愛or執着?
「『復縁したい』というこの強い気持ちが、純粋な愛なのか執着なのか?」と自分でも分からなくなってしまう人もいるのではないでしょうか?
厳しいことをお伝えしますが、別れてから半年以内の復縁願望は、間違いなく愛ではなく執着です。
ドイツの精神分析学・社会学・哲学の研究者である、エーリッヒ・フロムの『愛するということ』(鈴木晶 訳、紀伊國屋書店)にも書かれているとおり、「愛するということは技術」です。
愛とは受動的な感情ではなく、「配慮・責任・尊重・知」を伴う能動的な活動であり、音楽や絵画、医学などと同じように、知識や習練によって獲得する「能力」だと説く。すなわち、愛の問題は「愛する能力の問題」であるということだ。
※引用:ナレソメノート『愛するということ』
相手の満足度を高めたり、ポジティブな感情を抱いたりできるように、相手のことを考えて関わることが愛。だから本当に愛があるなら、そもそも別れに至っていないないはずです。別れに至るということは、元恋人にとってあなたの愛する技術・能力が不十分であったということ。
あなたが自身の愛する技術・能力を磨くことができず、別れを選んだ(あるいは受け入れた)時点で、その後の復縁願望は「自分の情緒的サポートを相手にしてほしい」というエゴでしかありません。
もし本当に相手を愛しているなら、一度別れを選んだ自分という存在は、相手の人生にとってノイズであると理解すべきです。相手が純粋に立ち直り、幸せになるまで接触しないことこそが愛です。
復縁したいと願いながらも、自分の足で立ち、新しい出会いに目を向ける。そうやって自立することで初めて、執着ではない関係性を築ける可能性が生まれます。

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冷却期間はどれくらい必要? データで見る「1年」の壁
では、冷却期間は具体的にどのくらいの期間が必要なのでしょうか?
結論としては、「最低でも1年以上」空けるべきです。
「長すぎる!」「1年も待てない!」と思いましたか?
実は、これにも参考になるデータがあるんです。破局後の期間と未練に関するデータをひも解くと、人間の感情の変化には一定の法則が見えてきます。
破局後、女性は「自責」できるようになるまで1〜2年かかる
ナレソメ総研の調査によると、女性は破局後1年未満は別れの原因を相手のせいにしがちです(他責)。

このグラフの得点範囲は0.00〜10.00。5.00を超えると「自分のほうが悪い」、5.00を切ると「相手のほうが悪い」という解釈です。
破局後1年未満は4点台前半のため、まだ「私は悪くない! 相手が悪い!」と思っています。しかし、1〜2年未満の時期に4.71点まで増加しているため、このタイミングで客観的に考えられるようになります。さらに2年以上たつと5点以上になり、「私にも未熟な点があった」と思えるようになるのです。
そのため、別れの原因を冷静に分析できるようになるには最低でも1年はかかるといえます。
「見返したい」という執着が消えるのは別れて1年後
ナレソメ総研の調査によると、別れた相手に対する見返し願望(見返してやりたいという気持ち・未練)は、1年未満の時期に非常に高くなります。これはまだ相手に執着している証拠です。
しかし、1年以上経過すると、この数値がガクンと下がります。1年未満までは3点台、1〜2年未満で2点台へと極端に下がるのです。

1年以上たつと、「見返したい」という元恋人への未練はなくなります。そのため、新しい恋人ができたとしても、元恋人のことを考えたり、元恋人と比較したりすることなく純粋な思考でその人のことを見られるようになります。そのため、1年は時間を置くのが賢明です。
そもそも復縁したカップルは幸せになれるのか?
ここまで冷却期間について解説しましたが、記事冒頭にも記載したとおり、基本的に復縁は推奨しません。苦労して復縁したとしても、うまくいくカップルはまれです。
復縁後に再度「別れた」人と「結婚した」人とが、それぞれどんな理由で復縁したかをナレソメ総研で調査しました。その結果、「こうやって復縁すれば次はうまくいく!」という法則は見当たりませんでした。さらに、多くの復縁カップルは再度「別れ」という結末を迎えていることも分かります。

復縁がうまくいかない理由は2つ考えられます。
まず1つは、対等な関係でいられなくなるから。例えば、もしあなたが「悪いところ全部直すから」とすがって復縁した場合、あなたの立場が下になります。相手との上下関係が生まれ、対等な関係ではなくなるのです。これでは健全なパートナーシップは築けず、相手がモラハラ化する原因にもなります。
2つ目の理由は「別れ方」を知ってしまっているからです。一度別れを経験しているため、何か問題が起きた時に「じゃあもういい、別れよう」という選択肢が頭をよぎりやすくなります。
以上のことから、復縁したとしても結婚までたどり着けるカップルはごくわずかです。もし、あなたに結婚願望があるのであれば、結婚できる可能性が低い元恋人より新しい出会いに目を向けたほうが賢明で、結婚できる可能性が圧倒的に高いといえます。
例外的に復縁してもいいケース
基本的に復縁は推奨しませんが、以下のようなケースは例外的にアリだと考えられます。
学生時代の淡い恋愛からの再会
- 中学・高校時代に付き合っていたが、進学や引っ越しなどの環境要因で自然消滅した。
- 大人になって同窓会などで再会し、お互いに人間性もステータスも変わっている状態でひかれ合った。
この場合、数年という長い時間が経過しており、その間にお互いが別の人生を歩み、情緒的サポート源のポートフォリオも組み直されています。「あの時の続き」ではなく「新しい2人」として出会い直しているため、うまくいく可能性があります。

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【冷却期間の過ごし方】それでも復縁したい人への4ステップ
ここまで読んでも「どうしても復縁したい」と思うのであれば、以下の4ステップを踏んでください。
1. 自己理解を深める(私的自己意識)
なぜ別れに至ったのか、自分の弱さや課題を内省しましょう。
自己理解の方法には「深める(私的自己意識)」と「広げる(公的自己意識)」の2種類があります。深めるというのは、「なんで自分はこういう感情なんだろう? なんでこれはこうなったんだろう?」というタイプの内省。一方で、広げるというのは「自分にはAの側面があると思っていたけど、Bの側面の方が強いんじゃないか」というタイプの内省です。
まずは、自己理解を深めることから始めましょう。

2.「情緒的サポートが欲しい」以外の復縁理由を見つける(1年以上かける)
「情緒的サポートが欲しい」以外の復縁したい理由はありますか? 例えば「親の反対でやむなく別れたが、親元を離れて自立した」など、環境要因や覚悟に基づいた理由があるかどうかです。破局後1年以上が経過した上で、「新たな生活を2人で作りませんか?」というスタンスの復縁であれば、このステップはクリアです。
3. 自己理解を広げる(公的自己意識)
2と同時でやってほしいことが自己理解を広げることです。
冷却期間の過ごし方として、「仕事に没頭しよう」「自分磨きをしよう」といったアドバイスをよく見かけますが、復縁を目指して恋に生きている状態の人が、仕事に集中できるわけがありません。
冷却期間に最もやるべきことは、「新しい恋人を作ること」です。
新しい恋人を作ることで、元恋人と今の恋人を比較し、初めて客観的なフィードバックを得ることができます。それにより、自己理解を広げることができるのです。
- 「元カノはこうしてくれたけど、今の彼女は違うな」
- 「今の彼は連絡はマメだけど、私の好きなものを全然覚えてくれない。元カレはあまり連絡くれなかったけど、私の好きなものを覚えてくれていた。不器用だったけど、愛するってこういうことだったんだなぁ」
このように比較することで、元恋人の良さに気づき、自分の至らなかった点にも目を向けることができます。これをへずに復縁しようとしても、自身の課題に気づけないままです。
「復縁したいのに、新しい恋なんて気持ちが追いつかない」「まだ元恋人に気持ちがあるのに、新しい恋人を作っていいの?」と思う人もいるかもしれません。しかし、気持ちが追いつかなくても新しい恋人を作るべきです。「【失恋】男性は引きずり、女性は切り替えが早いってホント!?」の記事でも詳しく解説しましたが、いったん休むことが功を奏すことはありません。
「傷が癒えてから次の恋を探そう」という人もいると思いますが、これは間違いです。それは「やる気が出たら勉強する」と言っている受験生と同じです。いったん休むことが功を奏すことはありません。
やる気(モチベーション)は、行動した後からついてくるものです。うまくいく人は明日から頑張ろうじゃなくて、今日1%だけやろうと決めて行動する人。「傷が癒えません」と言っている人は「0%から1%にするのが嫌です」と言っているのと同じです。
気持ちが追いつかなくていいです。新しい出会いが傷を癒やしてくれる。だから、明日1人と会ってきてください。できれば今日会ってきてください。今日1人と会えば、次に会うのはおっくうじゃなくなるからおすすめです。小さな行動(0→1)が、現状を変える一番の特効薬になります。
※引用:ナレソメノート「【失恋】男性は引きずり、女性は切り替えが早いってホント!?」
特に男性の場合、1人でいるといつまでも元恋人に執着してしまう傾向があります。女性は比較的、新しい恋人ができやすいため切り替えが早いです。「忘れられないから新しい人と付き合えません」と言う男性もいますが、それは単にモテない言い訳に過ぎません。意識的に新しい出会いを探しましょう。

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4. それでも復縁したいか決断する
ここまでやっても、まだ「あの人がいい」と思えるでしょうか? 多くの場合、ここまで来ると「復縁しなくてもいいや」と思えるはずです。
復縁に執着している間は、どうしても視野が狭くなってしまうものです。内省し、新しい出会いに目を向け、「あの人しかいない」という思い込みを手放すこと。このステップを踏むことで、あなた自身が心から納得し、本当の幸せへとつながる最良の選択ができるでしょう。

ナレソメ総研



