向き合うことが対処の鍵か?マリッジブルーの具体的な対処法とその効果の実態調査

人生の大きな変化として考えられる結婚。本来であれば、おめでたいはずの結婚ですが、いざ結婚を目前に控えた時期に感じる漠然とした不安や迷いは、「マリッジブルー」として多くの人に知られている現象です。

しかし、そのような不安に対してどのような対処行動が有効であるのかについては、いまだ明らかになっていません。

そこで本稿では、マリッジブルーの対処法とその効果について考察します。

本調査の概要

本調査では、マリッジブルーに対してとった対処法とその効果を明らかにするため、婚姻・婚約しており、かつマリッジブルーになった経験を持つ男女合計172名にアンケート調査を実施しました。

アンケートでは、回答者にパートナーとの「交際期間」「婚姻期間」「出会いのきっかけ」や「関係満足度」への回答を依頼した後、本題の「マリッジブルー」に関する設問を開始。設問では「パートナーに対して、不安や悩みを感じた時、どのように対処しましたか?」「その対処法に対して不安や悩みはどうなりましたか?」という問いを設けました。

マリッジブルー対処のポイントは「向き合うこと」

実施したアンケート調査の結果を整理したものが以下の表です。回答の結果を「男女合計」「男性」「女性」の3つに分類し、性別による回答の傾向に違いが表れているのか検討しました。また、表の数値は回答者の回答率を示しています。

まず全体の結果はこちらです。

続いで、男性の結果はこちらです。

最後に、女性の結果はこちらになります。

なお、男性のサンプル数が少ないため、ここでは女性の回答に対する考察を中心にお伝えします。

まず、マリッジブルーの対処法として回答率が高かった項目は「パートナーに相談した」(86.8%)「第三者に相談した」(79.1%)「1人で考えた」(64.3%)でした。この3項目は、男女別の数値を比較しても、男女ともに50.0%前後の回答率を残しており、性別を問わず多くの人に見られる対処行動であることが確認されました。

さらにその効果に着目すると、「パートナーに相談した」とした回答者のうち、男女ともに80.0%以上が「軽減された」と回答しており、パートナーへの相談は性別を問わず高い効果を示す対処法であることは明らかです。

女性においては、「第三者に相談した」(60.0%)および「気を紛らわせるため別のことに打ち込んだ」(20.7%)という行動が比較的多く見られました。これらの対処法における「軽減した」とする回答率は、それぞれ80.0%および74.2%であり、いずれも「パートナーに相談した」に次ぐ有効な対処法であることが示唆されます。

加えて、女性は「1人で考えた」(48.7%)の行動も「軽減した」(72.6%)という結果になりました。よって、「1人で考えた」は女性のみに有効なマリッジブルーの対処行動として捉えることができるのではないでしょうか。

一方で、「入籍を延期した」「パートナーと距離を取った」「関係解消を申し出た」といった行動は、マリッジブルーの対処行動としては適切でない可能性が示唆されます。

中でも「入籍を延期した」では、「不安が増大した」とした回答率が全体で12.5%、女性に限れば20.0%に達しており、対処行動としての有効性の低さが明確に示されました。また、「関係解消を申し出た」における「不安が増大した」の回答率は8.3%、「パートナーと距離を取った」では「変化なし」とした回答者が50.0%となっており、いずれもマリッジブルーの軽減にはつながっていない様子がうかがえます。

以上の結果から、マリッジブルーの対処法としては、問題に向き合い、自らの不安を他者と共有するなどの積極的な行動が有効であることが考察されます。反対に、マリッジブルーから距離を置く・回避するような行動は、かえって不安を増大させる傾向にあることが明らかになりました。

<調査方法>
インターネットによるアンケート調査
<調査期間>
2025年3月23日(日)〜3月28日(金)
<調査対象>
婚約経験または婚姻経験のある男女
<回収サンプル数>
512名(男性100名、女性412名)

ナレソメ総研

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執筆者 ナレソメ総研
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