「卵子凍結したから安心」は危ない。勝倉が“人生の先延ばし”に警鐘を鳴らす

31歳で約60万円をかけ、5個の卵子を凍結。34歳で体外受精に臨んだものの、妊娠しなかった――。

YouTubeで発信された、ある女性の体験談が注目を集めた。
卵子凍結は将来を守る備えなのか、それとも決断を先送りするだけなのか。

4年間で約500万円を投じ、11回の移植や代理出産まで検討した不妊治療の当事者・モテコンサル勝倉が、「卵子凍結は未来の保証ではない」という現実と、後悔しないために希望の未来から逆算して行動を起こす大切さを語る。

モテコンサル勝倉
株式会社ナレソメ取締役、結婚相談所ナレソメ予備校塾長。 1989年生まれ東京都出身、上智大学卒。 新卒で(株)三菱UFJ銀行に総合職として 入行し、外資系ファンド 向けの不動産ファイナンス業務に従事。 2019年に退職し、モテコンサルタントとして起業。 結婚に関するニーズの高まりを受け、代表の宇波と結婚相談所「ナレソメ予備校」を設立。株式会社ナレソメでは塾長としての顧客サポートに加え、コンサル・プランナーを統括するサービス部の管掌役員を務める。

5個の卵子を凍結しても、妊娠できなかった

※画像はイメージです

あるインフルエンサーの女性が、自身の卵子凍結と不妊治療について発信し、その内容がSNSで話題になっていました。

31歳当時、「子どもが2、3人欲しい」と望んでいた彼女ですが、当時は交際相手がいたものの、すぐに結婚や妊娠を進めるタイミングではありませんでした。さらにAMH値(卵巣予備能)の低さも発覚。増していく焦りや不安から「少しでも安心材料がほしい」と、約60万円をかけて5個の卵子を凍結しました。「これで将来も大丈夫」とどこか安心している部分があったものの、その後結婚して34歳で臨んだ妊活では、凍結卵子を子宮に戻すことすらかなわなかったといいます。

彼女がこの経験を公開したのは、卵子凍結自体を後悔しているからではありません。やってみて初めて得た「卵子凍結=確実に妊娠できるわけではない」という学びを、同じように悩む人に届けるための発信でした。

このエピソードに触れて、まず公開してくださった方に感謝の念を抱きました。卵子凍結を検討している人にとって、こうした実体験はとても参考になるからです。

そのうえで、あらためて確信したことがあります。

卵子凍結そのものが悪いわけではありません。ただ、卵子を凍結したからといって、将来の妊娠まで約束されるわけではないのです。

卵子凍結は「未来の保証」ではない

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「凍結した卵子があれば、将来は子どもを持てる」そう考えると、少し安心する女性も多いでしょう。

しかし、卵子を保存することと、子どもが生まれるまでの間には、いくつもの段階があり、その全てが予定どおりに進むとは限りません。凍結した卵子を融解し、精子と受精させて受精卵(胚)にし、子宮へ戻し、着床して、妊娠・出産に至る一連のプロセスは、残念ながら確実に進むものではないのです。

融解するときに卵子が死滅した。
受精卵が成長しなかった。
着床しなかった。

不妊治療で11回の移植を経験してきた身からすると、このようなことはごく普通に起こりえます。1つ1つの段階で可能性がついえていく苦しさは、痛いほど理解できます。

そもそも卵子凍結には、がんなどの病気治療によって将来妊娠しづらくなるリスクに備えて行う「医学的適応による卵子凍結」と、健康な女性が将来の妊娠を見据えて行う「ノンメディカルな卵子凍結」があります。後者について、日本産科婦人科学会では積極的に推奨していないのが実態です(※)

だからといって、卵子凍結という手段に価値がないと言いたいわけではありません。そこから子どもが生まれる可能性もありますし、選択肢が増える場合もあるでしょう。

ただし、それは決して「未来の保証」ではないのです。卵子凍結をしたから安心だ、結婚や妊活はもっと後でも大丈夫だ、と考えるのはリスクがあると思います。

※参考:産経新聞「卵子凍結『推奨はしない』 日本産婦人科学会が改めて見解

卵子凍結を「決断を先延ばしにする口実」にするな

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私が最も懸念しているのは、卵子凍結が人生の決断を保留にする理由として使われることです。

「若い時期の卵子を保存しているから、今は仕事を優先しても大丈夫」
「交際相手が結婚を決めてくれなくても、もう少し待てる」
「妊活を始めるのは数年後でも間に合う」

そう思っているうちに時間は過ぎていきます。しかし前提として、パートナーが決まっている状態で行う「胚凍結(受精卵凍結)」と未受精の「卵子凍結」とでは、将来の可能性に大きな違いがあるとされています。現在の医療技術をもってしても、凍結卵子が妊娠・出産までたどり着く可能性は不確実であり、実際に赤ちゃん誕生まで至る確率は高くはないことが、専門家や医療機関からも示されています。そうした現実を知らないまま過ごし、いざ使ったときに期待どおりの結果にならないケースは充分に起こり得るのです。

そのときに残っているのが、数年前より年齢を重ねた自分です。凍結卵子を使い切ってから、あらためて採卵や治療を始めることになれば、もっと早く決断すればよかったと後悔するかもしれません。

人の希望は途中で変わることもあります。最初は子どもが1人いれば充分だと思っていても、生まれてみたらかわいくて2人、3人と欲しくなるかもしれません。

そんな将来の気持ちまで、現時点で予測するのは難しいでしょう。だからこそ、卵子凍結をすること自体は否定しませんが、その安心感を過信して、結婚や妊活を全て後ろ倒しにしないでほしいです。

私自身、子どもを持てない可能性も真剣に考えました。いざとなれば、数千万円をかけて代理出産も検討していたほどです。当時を振り返ると、「できないかもしれない」と考える時間は、とても苦しいものでした。

だからこそ、後悔が残らないよう、妊活もスムーズにいくタイミングで進めることが大切だと考えています。

希望の大学や企業に入れなくても、別の方法で幸せになることはできます。しかし、自分の子どもを持つことに関しては、他の手段で代替して同じ満足感を得るのは容易ではないでしょう。養子を迎える選択肢もありますが、私自身は実子への思いを完全に置き換えることは難しいと考えています。

子どもが欲しい人にとって、その希望を簡単には他で代えられないからこそ、できるだけ早く行動を起こすべきなのです。

結婚の意思は早めに確かめたほうがいい

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子どもを望んでいるのに、交際相手が結婚について曖昧な態度を取り続けているのであれば、早めに意思確認をしましょう。

「目の前の相手が好きだから、その人と結婚したい」

そう思うのも無理はありません。しかし、妊娠における「時間軸」は、男女で残酷なほど違います。男性は年齢を重ねても子どもを持てる可能性が残されていますが、女性には明確なタイムリミットがあります。極端に言えば、妊活における女性の数か月や半年の価値は、男性にとっての数年分に相当しうるのです。

男性の悠長な時間軸に足並みをそろえて数年待った結果、もし結婚に至らなかったとしても、男性はその失われた時間の責任を取ってくれません。時間が過ぎ、妊娠の確率が下がった現実を1人で引き受けるのは自分自身なのです。個人的には、交際して半年ほどたったら、将来を考えられる相手かどうかを具体的に確認していいと思っています。

「今年中に結婚したいけれど、あなたはどう考えていますか。結婚するつもりがあるなら交際を続けたいし、ないなら別の道を考えたい」

そう伝えるのは、相手を脅すことではありません。自分の人生に必要な確認です。卵子凍結するお金があるなら、婚活にお金をかけるほうが賢明です。本当に子どもが欲しいなら、それくらい現実的に考えてもいいのではないでしょうか。

待つことを選ぶのも自由です。しかし、その選択によって失われるものがあるかもしれない。そのことを理解しておくべきです。

自分の人生は、希望から逆算してデザインする

自然な流れに任せていれば、いつかは結婚できる。いつかは子どもを持てる――。そう考えたくなるのも自然なことでしょう。

しかし、人生は全てが計画どおりに進むわけではなく、望んだとおりの未来になるとは限りません。だからこそ、自分が望む未来に近づく可能性を高めるために、今できる選択を重ねていく必要があります。

  • 子どもが欲しいのか。何人欲しいのか。
  • いつごろ結婚したいのか。
  • 仕事をどのように続けたいのか。

自分が実現したい人生を考え、そこから逆算して、今どのような行動を取るべきかを見極めることが大切です。

技術が進歩し、選択肢が増えること自体はすばらしいことです。ただ、技術は自分の代わりに人生の舵を取ってくれるものではありません。卵子凍結も、時間を完全に止めてくれる魔法ではないのです。

自分がどう生きたいのか、何を手に入れたいのか。迷っている人は、ぜひ真剣に考えてみてください。セールストークになってしまいますが、1人で考えて結論が出なければ、ナレソメ予備校の無料面談もご活用ください。

後悔を減らし、無駄な苦労を避けるために、決めるべきところではきちんと決める。そのプロセスを経て、幸せをつかむことを願っています。

監修:モテコンサル勝倉

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ナレソメノート編集部は、専門知識や経験を活かして質の高い記事作成に取り組んでいます。「結婚生活を通じて人生のQOLを向上させる」をテーマに、
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