過去の恋愛経験が自己評価を作る? 既婚・未婚で全く異なる恋愛観が調査で判明

自分の容姿や内面にどれだけ自信がありますか? その自己評価は、過去の恋愛経験によって形作られる部分も大きいかもしれません。

しかし、「過去にモテたから自分は魅力的だ」と考えることが、必ずしも結婚につながるとは限らないようです。

本調査では、35歳〜49歳の女性を対象に、ビジュアル・内面の自己評価と過去の恋愛行動との関係性を調査しました。その結果、既婚者と未婚者(入籍経験なし)とでは、自己評価の捉え方に大きな違いがあることが明らかになりました。

既婚女性の自己評価は、過去の恋愛経験に左右されない

まず、入籍経験が1回ある35歳〜49歳の既婚女性123名を対象に、自己評価と恋愛行動の相関関係を調査しました。

その結果は、こちらのとおりです。

この表は、自己評価(ビジュアル・内面)と恋愛行動(告白回数・被告知回数など)の関連性の強さを示す相関係数を表しています。数値が1に近いほど強い正の相関(比例関係)、-1に近いほど強い負の相関(反比例関係)があることを意味します。

既婚女性のデータを見ると、数値のほとんどが-0.2〜0.2の間に収まっており、ほぼ無相関であることがわかります。 これは、既婚女性が「過去に告白された回数」や「交際人数」といった恋愛経験を、現在の自分のビジュアルや内面の評価にほとんど結びつけていないことを示しています。

このことから、結婚した女性は過去の恋愛経験を現在の自己評価と切り離して考えており、今のパートナーとの関係性の中で新たな自己評価を築いている可能性がうかがえます。

未婚女性は過去のモテ経験で自己評価を形成する傾向

一方で、入籍経験がない35歳〜49歳の未婚女性40名のデータを見てみると、既婚女性とは異なる傾向が明らかになりました。

未婚女性の場合、特に「25歳ビジュ」の自己評価と「被告知回数」(0.341)、「交際人数」(0.284)の間に中程度の正の相関が見られます。 これは、25歳時点で告白された回数や交際した人数が多かった人ほど、自身のビジュアルを高く評価している傾向があるということです。

つまり、未婚女性は既婚女性とは対照的に、過去の恋愛経験を自己評価の根拠にする傾向が強いと言えるでしょう。

自己評価は高いのに受け身? 未婚女性に潜む「こじらせ」現象

さらに、未婚女性のデータで注目すべきは、「現在のビジュ」自己評価と「告白回数」の相関が-0.372、「現在の内面」自己評価と「告白回数」の相関が-0.261と、負の相関を示している点です。

これは、自分のビジュアルや内面に自信がある人ほど、自分から告白をしていないということを意味しています。 しかし、その一方で自己評価と「被告知回数」や「交際人数」との間には強い相関は見られません。

この結果は、未婚女性の中に「自分はビジュアルも内面も良いのに、誰からもアプローチされないし、自分からも行かない」という、自己評価の高さが逆に行動を妨げる「こじらせ」とも言える現象が起きている可能性を示唆しています。

告白経験ゼロの女性ほど、年齢と共に自己評価が上がり続ける謎

この「こじらせ」現象をさらに裏付けるのが、告白回数別にビジュアル自己評価の推移を追ったこちらのグラフです(サンプル数が限られているため、あくまで参考までにご覧ください)。

驚くべきことに、これまで一度も告白をしたことがない女性(告白0回、n=13)のグループは、18歳時点から現在に至るまで、ビジュアル自己評価が一貫して上昇し続けています。

これに対し、告白経験が1〜2回ある女性(n=18)は25歳時点をピークに自己評価が下降し、3〜4回ある女性(n=8)は緩やかに上昇するものの、告白0回の女性ほど急激ではありません。

これは、恋愛市場からの評価を自分から得ていない人(告白0回の女性)たちが、勘違いをして年を重ねるごとに自己評価を上げてしまっている可能性を示唆しています。 ちなみに、既婚女性の告白回数の中央値が1回であるのに対し、未婚女性の中央値は0回というナレソメ総研のデータもあり、この可能性を裏付けています。

自分から行動を起こさずにいると、客観的な市場評価と自己評価が乖離し、根拠のない自信だけが膨らんでしまうのかもしれません。過去の栄光に固執せず、勇気を出して一歩踏み出すことが、結婚への道を切り開く鍵となりそうです。

<調査方法>
インターネットによるアンケート調査
<調査期間>
2025年8月28日(木)〜9月18日(木)
<調査対象>
26歳以上の男女
<回収サンプル数>
1261名(男性314名、女性947名)

ナレソメ総研

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執筆者 ナレソメ総研
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