婚姻期間で「幸福度の決め手」が変化!? 結婚3年目以降に浮上する要素とは
結婚生活を送る中で、パートナーとの関係や家事・育児、仕事など、さまざまな悩みを抱えることがあります。
こうした悩みと夫婦関係や幸福度との結びつき方は、結婚してから何年たっても変わらないのでしょうか。
ナレソメ総研では既婚男女399名を対象にアンケート調査を実施。
結婚初期(1〜2年目)と中期(3〜9年目)を比較し、生活上の悩みや個人の意識と、「夫婦関係満足度」「家庭生活満足度」「幸福度」との相関関係を分析しました。
その結果、男女ともに、婚姻期間によって生活上の悩みと満足度・幸福度の結びつき方が変化する傾向が見られました。
本記事では、年月の経過とともに変化する悩みと満足度の構造をデータで解き明かし、婚姻期間が長くなっても良好な関係を更新し続けるためのポイントを解説します。
※注:「配偶者」に関する悩みは男女とも各満足度との相関が比較的高く見られました。
ただ、生活をともにする配偶者への悩みが満足度に影響しやすいこと自体は自然な結果と考えられます。そこで本記事では、「配偶者への悩み」そのものではなく、その背景にある生活上の悩みや心理的な要因に着目して分析しています。
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婚姻期間によって幸福度と結びつく要素はどう変わる?
既婚の男性113名・女性286名を対象に、生活上の悩みや個人の意識が各満足度・幸福度とどのように結びついているかを調査しました。
まず、結婚初期と中期で大きく変化したのが、夫婦関係・家庭生活と自身の幸福度との結びつきです。
女性では結婚初期に0.37〜0.39だった相関係数が、中期には0.63〜0.65まで上昇します。
※注:サンプル数にもよりますが、一般に相関係数は絶対値が0.4を超えると「一定の相関がある」とされます。
相関係数が正(+)の場合「片方が上がるともう片方も上がる」、負(-)の場合「片方が上がるともう片方が下がる」関係にあることを示します。
今回のデータからは、特に女性において、夫婦関係・家庭生活の満足度と自身の幸福度との関連が、婚姻期間の経過とともに強く結びついていく傾向が見られました。

一方、男性の場合、結婚初期に0.65〜0.80と強い相関が見られます。中期になると若干数値は下がりますが、引き続き強い関連が見られる水準です。
男性では、結婚初期の段階から、夫婦関係・家庭生活と自身の幸福度が強く結びついていたことがわかります。

では、こうした婚姻期間による変化は、具体的にどのような悩みや意識との関連に表れているのでしょうか。
男女それぞれの「具体的な悩みの移り変わり」と、3年目以降に重要となる「内面・環境の充足感」について詳しく見ていきます。
【女性】結婚3年目以降、生活上の悩みと「家庭生活」「自身の幸福度」への結びつきが強まる
女性では、婚姻期間が長くなると、生活上の悩みが夫婦関係だけでなく、家庭生活全体や自身の幸福度とも関連するようになる傾向が見られました。
「親族」の悩みが、家庭生活全体と結びつくようになる
その代表例が「親族」の悩みです。

結婚初期では、「親族」の悩みと夫婦関係満足度との相関係数は-0.07、家庭生活満足度との相関係数は-0.05で、ほとんど関連が見られませんでした。
しかし結婚中期を迎えると、夫婦関係満足度(-0.43)だけでなく家庭生活満足度(-0.50)とも一定の相関を示すようになります。
一方、「親族」に関する悩みの平均値は、結婚初期の2.17に対して中期は2.12と、大きな変化はありませんでした。
つまり、親族に関する悩みそのものが強くなったわけではないにもかかわらず、その悩みと夫婦関係・家庭生活満足度との関連が強まったということです。
婚姻期間が長くなるにつれて、親族との付き合いや家族をめぐる意思決定など、夫婦を取り巻く関係性が広がることが、その背景の1つとして考えられます。
「家事・育児」の悩みが夫婦関係から自身の幸福へ

もう1つ変化が見られたのが、「家事・育児」の悩みです。
結婚初期では、家事・育児の悩みは夫婦関係満足度(-0.40)と関連する一方、自身の幸福度(-0.06)とは、ほとんど相関を示していませんでした。
ところが中期になると、家庭生活満足度(-0.45)と一定の相関を示すほか、初期にはほぼ見られなかった自身の幸福度(-0.35)との間にも弱〜中程度の相関が見られるようになります。
つまり女性では、結婚初期には「家事・育児の悩み」が主に夫婦関係の問題として表れていたのに対し、中期になると、家庭生活全体や自分自身の幸福感とも結びつくようになる傾向が見られたということです。
【男性】結婚3年目以降は幸福度と結びつく要素が「生活上の悩み」から「自分自身の充足」へ
WLB・家計の悩みは、幸福度との関連が弱まる
男性の場合、結婚初期には、ワーク・ライフ・バランス(WLB)や家計といった具体的な生活上の悩みが、自身の幸福度と比較的強く関連していました。
ところが3年目以降になると、こうした悩みとの相関は弱くなっています。


結婚初期には満足度・幸福度と関連していた具体的な生活上の悩みが、中期になると関連が弱まる点が注目されます。
その一方で、中期になると、男性では「自己決定感」「家庭居場所感」「趣味・友人関係満足度」といった、自分自身の充足に関わる指標と各満足度・幸福度との関連が強まることがわかりました。
次章で詳しく見ていきましょう。
【男女共通】婚姻期間の中期に、各満足度・幸福度との関連が強まった3つの指標
今回の調査で特に注目されるのが、婚姻期間の中期において、男女ともに「夫婦関係満足度」「家庭生活満足度」「幸福度」との関連が強まった3つの指標です。
自己決定感:「自分で選んでいる」と感じられるか
1つ目は、「自己決定感」です。
これは、自分の意思で行動や選択を決められているという感覚を示す指標です。
男性では中期になると、自己決定感と夫婦関係満足度・家庭生活満足度・幸福度との相関係数が、それぞれ0.70〜0.74と、非常に高くなりました(※1)。
※1 ただし、婚姻中期の男性のサンプル数が32人と少ないため、相関が高くなった可能性が残ります。
女性の場合、夫婦関係満足度は初期にはほとんど関連がなかった(0.18)のに対し、中期には一定の相関(0.42)が見られるようになり、個人の幸福度も関連が強まります(0.45→0.60)。


つまり婚姻期間の経過とともに、「自分で納得して選択できている」という感覚が、夫婦関係や家庭生活、自身の幸福度との関連が強まる傾向が見られました。
結婚生活が続く中では、仕事、家事・育児、家族との時間など、さまざまな選択を夫婦で行う機会が増えていきます。そのため「自分で納得して選んでいる」という感覚が、より重要になってくるのかもしれません。
家庭居場所感:家が安心して居られる場所だと感じられるか
2つ目は、「家庭居場所感」です。
家庭内で1人の人間として「気を遣わずにくつろげる場所があるか」という心理的安全性も、結婚中期の夫婦にとって重要な要素です。


女性の幸福度との相関係数が0.38から0.67へと大きく上昇するほか、男性ではすべての満足度・幸福度と強い相関(0.71〜0.78)が見られるようになります(※2)。
※2 ただし、婚姻中期の男性のサンプル数が少ないため、相関が高くなった可能性が残ります。
趣味・友人関係満足度:家庭外に自分の世界があるか
そしてもう1つが、「趣味・友人関係満足度」。
家庭や仕事とは別に、自分自身が楽しめるコミュニティや時間を持っているかどうかを示す指標で、男女ともに婚姻期間の経過とともに各満足度・幸福度との関連が強まる傾向が見られました。


特に男性で顕著で、結婚初期には各指標との相関が弱かった(0.26〜0.38)のに対し、中期になると、家庭生活満足度との相関係数は0.77、幸福度は0.59、夫婦関係満足度は0.57まで上昇します(※3)。
※3 ただし婚姻中期の男性のサンプル数が少ないことから相関係数が高く現れた可能性が残ります。
女性は、夫婦関係満足度と家庭生活満足度において、一定の関連(0.43〜0.49)が見られるようになります。
結婚中期になると、男女とも「家庭の外に自分の世界を持っている」ことが、夫婦関係や家庭生活の満足度との関連が強まるという興味深い結果になりました。
時期に合わせて「お互いの満たしどころ」を再点検しよう
今回の調査から見えてきたのは、結婚生活が長くなるにつれて、夫婦関係や幸福度と関連する要素も変化していくということです。
仕事や家事・育児、親族関係など、夫婦を取り巻く環境は時間とともに変わっていきます。
だからこそ、時期に応じて「今、自分たちは何が満たされていないのか」を見直すことが重要なのではないでしょうか。
関係性を良好に維持するためには、時期に応じて互いへの関心や配慮の仕方をアップデートしていく必要性が示唆された調査となりました。
その際のポイントとして男女に共通していたのが、「パートナーが自分に何をしてくれるか」だけではなく、自分自身がどのような状態で結婚生活を送れているかに関わる3要素でした。
夫婦関係を良好に保つために必要なものは、結婚した瞬間からずっと同じとは限りません。
「今の自分たちにとって、何が満たされていると心地よいのか」を、時期に合わせてお互いに問い直していく。それが長く続く幸せな結婚生活をつくっていくヒントになりそうです。
<出典記入方法>
本調査結果を引用する場合、「既婚者対象:結婚生活に関する調査2026(ナレソメ総研調べ)」及び、本記事URLを必ず明記してください。
<調査方法>
インターネットによるアンケート調査
<調査期間>
2026年7月2日(木)〜7月8日(水)
<調査対象>
既婚の男女
<回収サンプル数>
399名(男性113名・女性286名)※結婚10年以上の男性11名・女性47名を含む。
ナレソメ総研



