【バチェロレッテ4考察レビュー】「安齊勇馬は里菜さんに本気だったのか」「山崎至が絶対に浮気しないワケ」8・9話を恋愛心理学者が振り返る【ネタバレあり】
Amazon Prime Videoの大人気シリーズ『バチェロレッテ・ジャパン』。
1人の女性・バチェロレッテを14名の男性が海外を舞台に奪い合うという、華やかで豪華な画とドキドキの展開が人気の番組だ。
さて今回は、昨日(2026年5月15日)配信の8話、9話を解説。前回の解説記事の続きとなる。
26歳のヒロイン・平松里菜さんは、奇跡のピュアレスラー・安齊勇馬を選ぶのか。メロすぎる経営者・山崎至を選ぶのか……。と、ドキドキしていたものの、前回の記事で予想したようにファイナルローズは至(※)となった。
※前回同様、男性陣は敬称略。また、山崎至さんは解説者の山崎と同名のため下の名前で呼びます
やっぱり至かよ!
そんなツッコミがSNSにはあふれている。別に至が悪いんじゃない。何も悪いことなんかしていない。むしろ1番、「恋愛」できていた。
でも、安齊の可能性に賭けたかった。このラスト2まで残った彼の、ギャップ萌えの塊である彼の、大番狂せである彼の、奇跡の見届け人になりたかった……。番組MCの指原氏も、似たようなコメントをしていた。
ということで、今回は大きく4つのテーマでいこう。
- 最後のタイデートや帰国後のデートでの2人の「差」
- 安齊がファイナルローズをもらうためには何が必要だったか
- 安齊マインドの男性たちが女性にアプローチするには
- 至と一緒になって、里菜さんは幸せになれるのか問題について
前回に続いて、恋愛心理学者・山崎が解説。それではいってみよう。

恋愛心理学者・山崎
富山県出身。筑波大学卒業。在学中から「恋愛心理学」を研究し、特に遠距離恋愛や関係継続、自己肯定感の分野を得意とする。認定心理士・メンタルヘルスマネジメント検定Ⅱ種を保持し、恋愛を起点としたQOL向上のノウハウを武器に、教育機関や企業の人事領域で講演・相談支援を行うなど幅広く活動。自身も2度の遠距離恋愛や婚約・婚約破棄を経験し、その学びを生かして年上シングルマザーとの年の差婚を果たす。現在は幸せな結婚生活を送りながら、恋愛心理学の知見を社会に還元し続けている。
最後のデートの差。恋愛だった至と、高校生すぎる安齊
さて、タイでのラストデートには明確な差があった。
至とのデートは「濃厚な恋愛ドラマ」、安齊とのデートは「高校生の青春ドラマ」みがあったのを覚えているだろうか。
まず至。
メロのプロである彼と里菜さんのゆったりお話しデートは、湿度100%だった。何回キスするねん、また突然のバックハグ、里菜さん今「帰らないで」的なことを言った?
……何を見せられている? 私たちは。
本当にラスト2のバトル中なのだろうか。もう付き合っている雰囲気でしかない。
そんな気持ちにさせるのは、至の「恋愛的コミュ力」の高さが理由だろう。
「とにかく、彼は恋愛的なコミュニケーション能力が高いんです。まずは会話のテンポ感ですね。『会話のリズムが合う』の典型例なんです。今回の最後のデートに限ったことではなく……彼の恋愛コミュ力の高さを整理していきましょう。
- イエス/ノーで答えられないオープンクエスチョンをすることで、里菜さんのことを知ることができる
- 知ることができるから、里菜さんが好みそうな態度や攻め時のタイミングを把握できる
- 『俺が俺が』とならず、里菜さんの言葉を待てる余裕がある
安齊に限らず、他の男性と比べてもずば抜けている。スタジオトークで彫刻家の白谷が言っていた『至くんといると僕でも安心感がある』という言葉の正体は、実はこれらのコミュ力です。
至が醸し出す自分を知ってもらえている感、受け止めてもらえている感が、里菜さんが求め続けた『信頼』『安心』に合致したということでしょう」(山崎・以下同)
顕著だったのが、キスシーンだ。
「我慢してる。でもファイナルローズもらうまで我慢しようと思う」といった旨のことを至は言った。そして里菜さんは「我慢しなくていいよ」と返した。
ここの至の何がうまいかというと、里菜さんにストレスをかけない言い回しをしていることだ。
「キスしていい?」だと、断りたいと思っても「だめ」と明確にNOを示す必要がある。これでは、断った側に負荷がかかってしまう。しかし至の言い方だと、里菜さんがどう返事をしてもストレスを感じにくい。
我慢したいならOK、我慢しなくてもOKという、相手に負荷をかけないコミュニケーションを自然とできるのも、また至の強さだ。
そしてこれこそ、安心感や信頼感の正体なのだろう。
さらに、至は順調に将来の話までつなげていった。
石川県から東京都に引っ越す話、そして日本に帰ったら両親に紹介する予定の話……。
ここでの里菜さんの反応も重要だ。
「簡単に東京に引っ越せるのか、もっと考えたほうが良い……里菜さんがそんなふうに『マジレス』したのも特徴的ですね。今まで里菜さんは、相手の気持ちや言葉を尊重して、反対意見やマイナスフィードバックを限りなく避けてきたような感じがします。ですが、至に対してはシビアな意見も言う。
なぜか? それは、身内として心身を委ねているからです。至に対して安心しきっていて、自分が素直に踏み込んで意見を言っていいと判断している。
このシーンを見た瞬間、もう絶対にファイナルローズは至だと思いましたね」
そして、至を前にした里菜さんの表情。本人が打ち明けていたように「女の子になれる」そのものだった。
さて、次は安齊だ。こちらも、最後のタイデートでは「2人で話す」がメインとなった。
しかし、どうもさっきの至とのデートと雰囲気が違う。湿度がない。
そう、この2人はずっと「友達感」「姉弟感」があるのだ。そして、里菜さんの方が「友情から恋愛に行けるのか」を模索し続けている感じがする。
「安齊とのデートで一緒に折り鶴を折って時間を使っていましたが……ここで必要なのはアクティビティではありません。鶴同士の手をつながせることも、もちろん優先事項ではなかったんです。
ここで、具体的な交際や結婚を見据えた未来の話をすべきだった。
そして、安齊は『好き』とはっきり言うべきだったんです。
高校生の青春であれば上のやりとりでも恋愛感を出せますが、26歳の里菜さん相手だと友達感で終わります」
さらに、安斎ではなく里菜さんが会話をリードしていたのだ。至が質のいい質問を繰り出す能力があるのと対照的に、安齊はあまり質問をしない。関係性を深める第一歩として、イエス/ノーで答えられる単純な質問ではなく「どう思う?」などのオープンクエスチョンが必要なのだが……タイ最後のデートでも里菜さんが話を切り出し、質問をしていた。
「結果として、安齊の家族とは会わないことになってしまった。無理もありません。好きだと明確に言ってくれる至と比べて、いまだに好きと言えない安斎では同じ土俵に立てない。『この人、本当に私に本気なのかな。温度感が違うのかも』と思っても致し方ないのです」
正直、こう思った人もいるのではなかろうか。
安齊は里菜さんに本気だったのか。
結局、好きになれていないからグイグイッといけなかっただけじゃないのか……。
「本気で好きだったと思います。里菜さんをかわいいと思ったり、自分のものにしたい気持ちもあったことでしょう。
ただ、経験値が低すぎて、本気で好きな時の恋愛的コミュニケーションの方法がわかっていないんだと思うんです」
恋愛的コミュ力の低さは、会話にも出ていたという。
「安齊は、会話では基本的に自分を表現しますよね。
『俺が俺が』と言ってしまうと聞こえが悪いですが、里菜さんに質問する、里菜さんとの将来を話すのではなく、『俺はこういう人間』だと知ってもらおうと頑張っている感じがある。それが、帰国後に里菜さんをレスリングに招待したことにも表れています。『仕事中の俺』を知ってもらえたら、何かが伝わると思っているのでしょう。
しかし、恋愛に発展させるのに必要なのは『俺が』じゃない。里菜さんの気持ちを考えることです。
里菜さんの気持ちを思えば、好きだと言っておくべきだった。安心と信頼につながるように、すぐに俺の表現をするのではなく、里菜さんに質問してリードして彼女の言葉を語らせるべきだった。
『今好きと言うと薄っぺらくなってしまう』の感情も、正直なところ自分とだけガチンコで向き合っていて、里菜さんの気持ちには向き合えていないんです」
そしてこれは、わざとこうしていたわけじゃない。つまり安齊が里菜さんを好きになりきれていないとか、ファイナルローズを「かわそう」としたとかで、上のような行動に出ていたわけではないのだ。
「だって彼は、スムーズに手をつなぐ方法すらわからなかったじゃないですか。ご自分でも、今までレスリングばかりで恋愛とは長い間距離を置いていたと話しています。
やはり恋愛的コミュニケーション能力が低いだけなんです。決して、里菜さんの好意を避けていたわけじゃなく、どうすれば進められるのかわからなかっただけなんです。
最後のタイデートで、安齊さんはよく顔をくしゃくしゃにして口を開けて笑っていましたね。爆笑するような話をしているわけでもないのに。
これこそ、彼のピュアさと『わからなさ』の現れ。うまく関係を恋愛のほうに進められない、そう気づいているからこそ、防御反応として笑ってしまっていたんだと思います」
恋はしている。でも、アクセルの踏み方も踏みどころもわからない。
それが安齊だ。
そして至は完璧に、緩急をつけてアクセルを踏めている。
この2人を比較すると、また違った角度からも「恋愛感情」について考察できるという。
「人はコミュニケーションコストを払うほどその人に興味を持つ、好きになるという傾向にあります。これは、今回の2人にも合致していることなんです。
至は里菜さんに質問し、彼女の気持ちを予想し、里菜さんにストレスをかけない言葉を選び続けた……つまり、コストを払い続けているんですね。これが、自分自身で恋愛感情を育てることにつながるんです。
安齊は、そういったコストを払った場面が少ない。むしろ、里菜さんがコストを払っている……その場合、里菜さんが安齊を『気になる』『もっと知りたい』とアクセルを踏み込めますが、安齊はコストを払った分が少ないため、アクセルをどう踏めばいいのかわからなかったのではと思います」
そもそもの恋愛経験の少なさ。恋愛的コミュニケーション能力の差。
それらが浮き彫りになった8話の末、里菜さんは至を選んだ。
安齊がファイナルローズをもらうためには、どうすればよかったのか
至のことを「強すぎる」と表現している本記事だが、事実として安齊だって強い。
イケメンで、身長が高く、筋肉がかっこいい。
仕事熱心でファンも多く、かわいい趣味がある。
そしてピュア。
これだけでも強さがわかる。それこそ、青春恋愛ものに出てきそうなプロフィールだ。
しかし、至に負けた。
ならば何をすれば良かったのだろう。具体的にどうすれば、ファイナルローズをもらえたのだろうか。

※画像はイメージです
「そもそもですが、安齊は序盤の滑り出しが良かったんです。
お母さんからの大事な手紙を里菜さんに見せて、自己開示した。里菜さんが求めているのは、前の記事で言ったとおり対話です。『あなたの心や内面を教えて』という里菜さんの本音に、安齊は自分の大事な手紙を見せて、いち早くアンサーを出せていたのです。これは至よりも早かった。
そして、里菜さんをたくさん笑わせて楽しい時間を過ごした。これもいい。
足りなかったのは、『好き』の言葉。それだけなんです」
できれば、至の「休憩事件」の前後くらいには安齊は「好き」と言っておくべきだった。そこでやっと、強すぎる至に勝てる可能性が出てくるのだ。
「というか至が強過ぎて、安齊は最後のタイデートで『好き』と言っても遅いんです。なぜなら、最後のタイデートで至は既に『里菜さんのお叱りを受け止めて自分を変える』『里菜さんに好きと言う』『恋人らしい雰囲気になる』までいけているのですから。
そんな至に勝つには、序盤も序盤で愛情表現をしておかないと厳しい。そこまでしてやっと、勝てる可能性が出てきますね」
誠実でうそをつかず隠し事をしない。
里菜さんをたくさん笑わせたいという部分は有言実行で、彼女も楽しそうだった。
でも、それでは恋愛にならない。
この短期間のうちに恋愛っぽくなって勝ち残らなくてはならないバチェロレッテというシステムに「恋愛に持っていく方法」を模索している段階の安齊は合わないという側面もある。
「安齊の普段の環境を考えてみれば、別にそれでいい説もあるんです。つまり、自分から愛情表現をして誰かに打ち勝つ必要がない。
安齊はやっぱりイケメンだし、プロレスラーとしてファンにも囲まれているでしょう。常に、うっすらと自分に好意を持っている女性はいるはず。本人が彼女たちと恋愛せずとも、自分を好いてくれる女性という存在には困らない立場だと推測できます。
しかも、プロレスに一生懸命な自分を見せるだけで、いや、見せれば見せるほどキャーキャー言ってくれる女性も真剣に応援してくれる女性もいる。
本人の中での優先順位のワンツーがプロレスとファンで、恋愛は1位ではない。
となると、早々に愛情表現するとか、誰かに勝つために早めに動くとか、そういうことをする必要もない。
そんな環境にいた人は、バチェロレッテでは戦略的に動けないし、やはりまだ早いというか……番組のシステムは合わないでしょう」
好きと言えていれば、伝説のバチェロレッテになったかもしれない。
しかし、早々に好きと言える安齊って、本当に我々が応援した安齊なのだろうか。
……安齊はどうしたらファイナルローズをもらえたのか。その答えは、上記のジレンマに陥る結論だった。
安齊マインドの男性たちが女性にアプローチする方法
安齊のような男性は実は多い。
どうやったら恋愛に持ち込めるのか、どうしたら恋愛的コミュニケーションがとれるのか。
つまり、女性に適切にアプローチをして、「好き」と言えるようになるにはどうしたらいいのか、わからない人々だ。
「彼のように、好きと言うべき時がわからない人もいるでしょう。それに、好きと言ったところでタイミングを間違えたら意味がなく、正しいアプローチとも言えない。
そんな男性陣に必要なのは経験です。……とはいえ、経験が少ない人に経験しろと言うだけでは、ちょっと雑でしょう。どうやったら経験を積めるのか、経験とは何なのか、かみ砕いて説明していきましょう」
前提として安齊タイプの男性、つまりピュアで恋愛経験が少ない人が女性にやってしまうことの特徴として「よくしゃべる」があるという。
「緊張して黙るタイプもいますが、よくしゃべるというのも顕著な特徴なんです。ナレソメでいうD(童貞)の男性たちもその傾向にあります。
もちろん話すことは悪いことじゃないし、大切です。しかし、話していることの内容が『俺のこと』だけなのが問題なんです。
趣味や仕事、好きなことに関してたくさん話せる。ではなんで、同じ『話す』でも『アプローチのための言葉を話す』となるとできないのか?
それは、相手がいるからです。
自分のことを話すなら、自分のタイミングで好きに話せるけれど、相手がいるとなると急にタイミングや相手に関連する話題がわからなくなるんです。なぜかというと、相手女性のことを充分に知られていないから。
充分に知られていない理由に、『質問力の低さ』が挙げられます」
つまり、本当に必要なコミュニケーションはこうだ。
1. 相手の女性を知ることが、アプローチの第一歩。
相手を知らなくてはどんな話題を出せばいいのか、どんな振る舞いをすれば好かれるのかがわからないため。
2. 質問をして、相手を知っていく。
イエス/ノーで片付く単純な質問ではなく、内面を深く知るためのオープンクエスチョンで考え方や性格を探っていく。
3. 相手を知ってやっと、相手に刺さるアプローチを検討できる。
しかし、質問力が低く、最初から最後まで「俺の話」だと1にもたどり着けていない。
そうなると、経験を積みようがないのだ。
「経験とは、1〜3の繰り返し。そうしていくうちに、『今が恋愛コミュニケーションの攻め時』『ここがアクセルの踏み時』とわかっていくのです。
相手の温度感の変化も1〜3を繰り返すうちにデータとして体感できます。自分基準の『今言いたい!』『まだ言いたくない』ではなく、相手基準の『今が適正なタイミングだ』がわかるようになるのです」
至のことを思い出してみよう。
彼は、1〜3を自然とできていた。あまりに里菜さん視点に立ちすぎたせいで、もっと自分を出さなくてはと反省するシーンもあったが、それにしても里菜さんのタイミングをつかむのは至が1番うまかったのだ。
「質問力を身につけて相手を知り、関係値を作ればアプローチのタイミングもわかる。とにかく、その人のことを好きで恋愛したいという気持ちがあるならば、『俺が今言いたいのか言いたくないのか』ではなく『相手に質問して知ったうえで、相手のタイミングをつかむ』が大事ですね」
ところで至と結婚して、里菜さんは幸せになれるのか
至、浮気しそうじゃないか?
里菜さん、幸せになれるのか?
そんな失礼な心配をしているネット小姑のうちの1人が、筆者だ。

※画像はイメージです
だってあんなに恋愛的コミュニケーション能力が高いってことは、経験豊富だということじゃないのか。明らかにモテそうだし、浮気できてしまう環境にいるのではないか。
しかし山崎は「至は浮気しないと思いますよ」と何度も繰り返している。今回はその理由についても深掘りしてみた。私も、至と一緒にいて里菜さんは幸せになれると確信したい。
「5つほど、至は実は浮気とかしないんじゃないか説の理由を挙げます。
1. 生育環境
至は高校まで石川県、大学は海外に行っており、日本の大学を出ていないとの情報があります(ネット情報のため、不確実性があります)。
これが正しいとするならば、そもそも学生時代に女性と夜な夜な遊ぶ経験をする隙はなかったのではと思います。特に大学時代は、海外生活そのものに適応することが大変でしょう」
つまり、東京の大学で親の目からも離れ、開放的にモテ人生を謳歌するといったことが生育環境的に難しかったのではという推測だ。遊び人としての素地を育む人生ではなかったということだ。
「さらに 『2. 現在の居住地』も挙げられます。
至は今も石川県に暮らしている。私は金沢在住なので断言できますが、土地柄『東京や大都市のように派手に遊ぶのは難しい』んです。シンプルに人が少ないし、そんな『場』『文化』が少ない。六本木には腐るほど『場』があることでしょうけれど……。
石川に本命がいそう、という感想をSNSで見かけましたが、さすがに本命彼女が1人いる状態でバチェロレッテに出るメリットはないです。
つまり遊んでもいないし、遊べる環境にもいないし、わざわざ東京に引っ越して女性とたくさん会う機会を作ろうともしていないし、おまけですが本命もいないでしょう」
1と地続きだが、2は結構でかい。本当に浮気性の遊び人なら、地方にいる意味がないのだ。麻布生まれ六本木育ちの人間とは、環境から違う。
「さて、ここまで読んでくると疑問が生まれませんか?『至の恋愛的コミュニケーション能力の高さは、果たしてどこで身についたのか?』という疑問です。
私は、至は1と2の理由で遊び人じゃない説を提唱しました。しかし、至のあまりに慣れている感じに疑問を抱くのは当然です。
これについて、3. 至のコミュ力はお仕事由来説で説明しましょう。
つまり至が里菜さんに見せた恋愛的コミュニケーション能力は、女性と遊ぶうちに身につけたのではなく、実はお仕事で育まれたという説です」
至は経営者で、ゴルフ事業を営んでいる。
祖父母が40年前に石川県で開業した屋外ゴルフ練習場の思いを引き継ぎ、新しい形で室内ゴルフ練習場を立ち上げたと、会社ホームページで語っている。
「経営で成功している至は、常日頃から、顧客の想いやニーズを先回りして想像し、くみ取ることをしているはずです。
経営者はアーティストやスポーツ選手ではありません。仕事で大事なのは、自分の思いを話すことや、自分を表現することではないでしょう。お客さんや取引先ありきの仕事ならば、自分の言葉は抑えて相手の言葉を待ち、質問を投げかけて理解しようとすることを日常的に行うはず。
……ここで気づきましたか?
至の里菜さんへの立ち振る舞いは、全て上と同じなのです」
里菜さんの疲労を想像し、気遣った末に『休憩していいよ』と話した、いわゆる失敗シーンにも至の仕事での振る舞いが透けて見える。
顧客や取引先の気持ちや立場を想像し、相手のニーズを理解するためのオープンクエスチョンをし、言葉を待つのと全く同じで、里菜さんのことを考え、里菜さんに質問し、言葉を待った。
つまり、至のメロさの根源にあった「余裕のある会話」「圧倒的な質問力」「相手の欲しい言葉を言う」は全て、仕事で育まれた可能性が高い。北陸には東京ほどたくさんの女性と知り合う機会は無いのだし、至は今でも石川で根を張っているのだから。
「仕事で普通にやっているコミュニケーションが染み付いていれば里菜さん相手にもそれができて当たり前で、偶然にもそれは恋愛的にも効果があったという推察です。
むしろ安齊は、前述の通り仕事では自分をストレートに表現することが重要で成功体験もある。経営者的コミュニケーションを会得してなくて当然です。
この差を考えてみれば、納得しやすいかと思います」
さらに、ちょっと角度を変えて、もう2つの「浮気しない理由」がある。
「さらに4. 至の方が稼いでいそうなことも理由として挙げられます。
こちらの研究(五十嵐 彰(2018)誰が「不倫」をするのか)で示されているように、男性が女性よりも稼いでいると浮気リスクが低いのです。
理由は、男性は年収で妻に負けると、妻に対して『俺はこれがすごい』と思いにくくなり、承認欲求を満たせず、貢献できている感覚を抱きにくくなってしまうから。そして外で『俺すごい』と思える浮気相手を作って、妻では満たせない『俺はすごい』という欲求を満たそうとします。その浮気相手は年収が低いかもしれませんし、何時間も話を聞いて『すご〜い!』と持ち上げてくれるキャバ嬢かもしれません。
その点、至は経営者です。
里菜さんと至の年収はわかりませんが、一般的に、経営者よりも稼いでいるモデル(里菜さんのメインの職業)はそこまで多くはないでしょう。一部のトップモデルや女優としても名をあげている方なら並みの経営者では太刀打ちできないですが、そういったケースはまれ。里菜さんよりも至の方が稼いでいることが事実であれば、浮気リスクを下げる要因となります」
そして最後に、8話での至の家族との面会シーンにもヒントがあった。
「5. 家族仲がいいのも大きいですね。
一般的に、我々は自身の両親を見て結婚観や夫婦関係のイメージをつくります。つまり、自分が育った環境をモデルとして自身の家庭を築くようになります。両親が仲良いのなら、それを自然とお手本の夫婦像にする。至の家族と里菜さんが会っていた時、ご両親の関係には何ら問題があるようには見えませんでした。お兄さんも、バチェロレッテに出てくれるくらい仲がいい。
実際のところはわかりませんが、外から見る分には里菜さんのご家庭と同じくらい温かいご家庭に見えます。
ということで、家族仲という方面から見ても、至の浮気リスクや遊び人リスクは低いと言えるんです」
- 生育環境
- 居住地
- 至のコミュ力は仕事由来説
- 至の方が稼いでいる可能性
- 家族仲がいい
これらだけでなく、さらに細かいことを挙げると、至にはあどけなさとも言える要素が残っている。
イヤイヤ、あの湿度100%男のどこに? と思うだろうが、忘れてはいけない。彼は同室の和田がブルーローズデートの末に敗退した時、誰よりも号泣していた男だ。
そして、どんどん里菜さんに好意を隠さなくなっていって、格好つけるでもなく口が半開きになっているシーンが増えている。
これらにちりばめられた至の愛すべきあどけなさ、スレてなさも、遊び人じゃなければ浮気もしなさそうという判断の後押しになる。
「以上を加味すると、結婚まで行ければいわゆる普通の幸せな家庭を作るんじゃないでしょうか。……とはいえ、9話のスタジオトークで1つだけ懸念が生まれたので、最後に解説しましょう。
それは、2人の連絡頻度です」
最終話のスタジオトークで、こんな話題があった。
「石川と東京の遠距離恋愛中で、会うのはかなり久しぶり」
「里菜さんが海外に仕事で行っている間、至から5日間LINEが来なかった」
里菜さんは常に連絡を取らなくてもいいと言いつつも、「1日にちょっとは話したい」といった旨のコメントをしている。司会の坂東さんですら「連絡は、密に」と話すくらいだ。当然、ネットでは心配の声があふれた。釣った魚に餌をやらないタイプか? といったコメントも出たほどだ。
この連絡頻度の少なさに対して、山崎はこう考察した。
「この感じ、至はやはり不器用なんだろうなと思います。先ほどまで遊び人じゃないか、浮気しないかというところにフォーカスしていましたが、このLINE不精な感じではやはり浮気はできないかと。
ですが、別れる可能性がないとは言えません。飽きたとか、不満が募ったとか、他の理由が浮上するでしょう。
遠距離恋愛なら、なおさら気をつけて関係を作る必要があります。遠距離恋愛にLINEは不適な側面が強いので、ビデオ通話やリアルに会う頻度を増やすなど、トータルでどのくらいコンタクトをとっているかが大事になるかと思います」
この調子で、結婚できるのだろうか。里菜さんは幸せになれるのだろうか。
2人の結婚するかしないかの分水嶺は期間だ。そしてそれは、至に本当に結婚する気があるのかという問題にも直結する。
「男性の結婚願望は『いい女性がいたら』ではなく『俺が結婚したくなったら』なのです。つまり、結婚の”時”がきた男性はそれ以上時間をかけない傾向にあります。
既婚者に聞いた『婚約期間』に関するナレソメ総研のデータによると、出会い方によらず半数以上が6か月未満。バチェロレッテという特殊な出会い方を加味しても、結婚する気があるなら交際6か月〜1年以内が妥当でしょう。
それ以上だと消滅に向かうかなと思います。結婚したら至は浮気リスクも低いし楽しく仕事するでしょうし、普通の幸せな家庭を築きそうですよ」
ここまで考察してきて、ふと、安齊のことを思い出す。安齊にローズを渡せば、より確実に幸せになれたんじゃないかと、別ルートを妄想してしまうのだ。
しかし、安齊との方が結婚に至る可能性が少ない。
「安齊ルートだと、2〜3年付き合って別れそうなんですよね。理由は安齊の恋愛的コミュニケーションの下手さで、里菜さんが物足りなくなる可能性がある。至のようなタイプとイチャイチャできる女性と、高校生のような安齊だとどうしても差が激しいのです。
となると、里菜さんが求めていた、結婚したいほどのドキドキも信頼も安心も生まれにくいんです」
まとめ:里菜さんのおかげで見応え抜群のバチェロレッテ
大好評だった今回のバチェロレッテ4。功労者はやはり、里菜さんだろう。
ローズを渡すスピードが速いとか、大体のことにポジティブなフィードバックを返しているとか、いかにもなバリキャリ女性っぽい選択だけをしているわけじゃなさそうだとか……考察する上で考察しがいのある展開が多かった。
「なにより、真剣で真面目なんですよね。最終話はちょっと至と出来上がった恋人の雰囲気が強かったですが、かなりの局面まで一貫して『男性の中身を見よう』『対話しよう』という姿勢が強かった。
おかげで視聴者も、男性たちの内面を深く知られたんじゃないでしょうか」
山崎はファイナルローズは至だと予想していたし、結婚するだろうとの見解だ。
「失礼な話になっちゃいますが、仮に至の浮気が原因で破局した場合は反省文を出します(笑)。冗談です。
次回以降のバチェラー・バチェロレッテも考察をしていきますので、楽しみにしていてください!」

ナレソメノート編集部



