関係が深まると離れたくなる…彼を好きかわからないときの4つの対処法

恋愛や婚活、そして結婚後のパートナーシップ。人生のステージごとに尽きることのない、多種多様なお悩み。

本連載『山崎先生の恋愛・婚活お悩み相談室』では、そんな恋愛・婚活・パートナーシップに関するお悩みについて、ナレソメ予備校恋愛心理学者・山崎独自の視点と科学的なデータをもとに解決策を提示します。

恋愛心理学者・山崎
富山県出身。筑波大学卒業。在学中から「恋愛心理学」を研究し、特に遠距離恋愛や関係継続、自己肯定感の分野を得意とする。認定心理士・メンタルヘルスマネジメント検定Ⅱ種を保持し、恋愛を起点としたQOL向上のノウハウを武器に、教育機関や企業の人事領域で講演・相談支援を行うなど幅広く活動。自身も2度の遠距離恋愛や婚約・婚約破棄を経験し、その学びを生かして年上シングルマザーとの年の差婚を果たす。現在は幸せな結婚生活を送りながら、恋愛心理学の知見を社会に還元し続けている。

今回のお悩み

交際5か月目になる彼氏についての相談です。彼はとても優しく、私に愛情をたくさん注いでくれます。

交際初期の頃は、私も彼と会うのが楽しみだったのですが、最近彼を好きかどうかわからなくなってきました。

彼から好かれていると実感すればするほど、なぜか気持ちがスッと冷めていく感覚があります。

毎週末を一緒に過ごすようになると「1人の時間が欲しい」と息苦しくなり、毎日の頻繁なLINEの返信も面倒に感じてしまいます。

最近、彼から「もっと一緒にいたいね」「将来のことどう考えてる?」と言われたのですが、うれしいどころか重く感じて引いてしまいました。

彼に不満があるわけではありません。ただ、距離が近くなればなるほど、自分のテリトリーに踏み込まれるような気がして無意識に壁を作ってしまいます。

過去の恋愛でも、半年ほどお付き合いして関係が深まって安定し始めると、いつも自分から別れを切り出してきました。

私は人と深く関わることに向いていないのでしょうか?

このまま「彼を好きかわからない」という理由で別れてしまっていいのか、それともこの苦しさを乗り越える方法があるのか、教えていただきたいです。

優しくて、自分を大切にしてくれる彼。それなのに、彼と関係が深まるほど距離を取りたくなる。
彼に大きな不満がないからこそ、「なぜこんな気持ちになるのだろう」と戸惑い、自分を責めてしまうこともあるでしょう。

今回は、別れるか付き合い続けるかを急いで決める前に、まず何を確かめればよいのかを考えます。過去の恋愛を振り返りながら、親密な関係で苦しくなる背景と自分の気持ちを整理するための方法について、恋愛心理学者・山崎がエビデンスをもとに解説します。

彼を好きかわからないときは、過去の恋愛を振り返ってみよう

「優しくしてくれる彼なのに、どうして一緒にいると息苦しくなるんだろう」

相手に大きな不満がないからこそ、離れたいと感じる自分が薄情なように感じたり、「もう好きではないのかも」と悩んだりしてしまいますよね。

ただ、彼に不満がないことと、今の付き合い方があなたに合っていることは、必ずしもイコールではありません。会う頻度や連絡のペースが負担になっている場合もあれば、彼への気持ちそのものが変化している場合もあります。

今はまだ「冷めたからだ」「自分は恋愛に向いていない」と答えを決めなくても大丈夫です。
まずは、今回の彼との関係や、過去の恋愛を振り返ってみましょう。

考えてみてほしいのは、「どんな場面から苦しくなったのか」と「過去にも似たことがあったのか」です。

例えば、次のような点を振り返ってみてください。

  • 会う回数や連絡が増えてから、負担を感じるようになったのか
  • 相手から強い好意を伝えられたり、将来の話が出たりしたときに、離れたくなったのか
  • 相手の言動に気持ちが変わるきっかけがあったのか
  • 過去の恋愛でも、関係が深まる時期に同じような苦しさを感じていたのか

今回の相談者様は、「過去の恋愛でも、関係が深まって安定し始めると、自分から別れを切り出してきた」とのこと。
相手が変わっても同じパターンを繰り返しているなら、彼個人への気持ちだけでなく、人との距離が近づいたとき、自分のなかで何が起きているのかにも目を向けてみるとよいでしょう。

もちろん、同じパターンがあったからといって、原因が1つに決まるわけではありません。いつも相手のペースに合わせすぎていたり、負担を伝えられずに我慢していたりする可能性もあります。

まずは、「なぜ、いつもこの段階で苦しくなるのだろう?」と考えてみること。それが、あなたの気持ちを理解する入り口になります

※画像はイメージです

関係が深まるほど離れたくなるのはなぜ?

関係が深まるたびに離れたくなる。
その背景を考える手がかりの1つが、愛着スタイルにおける「回避型」の傾向です。

愛着スタイルとは、親密な相手とのつながりに対して不安や恐れを感じたときの反応の傾向を指します。

大まかな特徴として、次のような違いがあります。

  • 安定型:ストレスがかかったときにパートナーにほどよく近づいて安心を取り戻す
  • 不安型:相手に見捨てられることへの不安が強く、愛情やつながりを繰り返し確かめたくなる
  • 回避型:相手と親密になることや、頼ったり頼られたりすることに居心地の悪さを感じ、距離を取ろうとする

回避型の傾向がある人が関係の深まりを苦しく感じるとき、例えば次のような気持ちが隠れているかもしれません。

  • 「心を許した相手を、いつか失って傷つくのが怖い」
  • 「距離が近づくほど、自分の時間や自由がなくなりそう」
  • 「期待に応え続けなければいけない気がして、しんどい」

今回の相談者様も、毎週末を一緒に過ごすことや頻繁なLINEを負担に感じ、彼から将来について尋ねられたときには、うれしさよりも「重い」「逃げたい」という気持ちが強くなっています。
こうした負担感によって、彼への好意までわかりにくくなっている可能性がありますが、一方で「離れたくなるのは、本当は彼が好きだから」と言い切ることもできません
親密さへの不安だけでなく、1人で休む時間の不足や、相手への気持ちの変化なども考えられるからです。

では、今の苦しさが付き合い方によるものなのか、彼への気持ちが変わったのかを考えるには、何を確かめればよいのか。次章で解説していきます。

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▶︎愛着スタイルに関する動画はこちら

付き合いを続けるか迷ったときに考えたい3つのこと

回避傾向に思い当たる点があっても、それだけで「本当は彼のことが大切なのだから、彼との交際を続けるべきだ」ということではありません。あなたに回避傾向があることと、彼への気持ちが残っていること、2人の相性や将来像が合うことは、それぞれ別の問題だからです。

ここからは、「本当は好き」「本当に冷めた」と判定するためではなく、あなたがこれからどうしたいのかを考えるための3つの視点をご紹介します。

1.距離を調整すれば「また会いたい」と感じるか

会う回数や連絡の頻度を調整し、1人の時間を確保したとき、彼に対してどのような気持ちになるでしょうか?

「少し休んだら、また会いたくなった」「この出来事を彼に話したいと思った」など、自然に彼へ近づきたい気持ちが湧いてくるなら、彼への気持ちがなくなったというより、これまでの付き合い方が負担になっていた可能性があります。2人に合う距離感を探りながら、関係を続けていく余地があるでしょう。

ただし、離れて寂しさを感じたからといって、「やっぱり好きなんだ」と結論づける必要もありません。実際に会ったときにうれしいと感じるか、もっと話したいと思うか、一緒にいて無理をしていないか、自分のすなおな気持ちに向き合ってみましょう

2.彼自身への関心や、関係を続けたい気持ちが残っているか

負担を減らしても、「また会いたい」「これからも関わっていきたい」という気持ちが湧かない場合もあります。

その場合は、親密になることへの戸惑いだけでなく、彼への気持ちの変化や、相性、将来の希望なども含めて、関係を見直してみたほうがいいかもしれません。
彼に対する関心や尊敬は残っているか。一緒に過ごす未来を想像したとき、安心や楽しみを感じるか。それとも、苦しさや違和感のほうが強いのか。自分の心の反応を丁寧に確かめてみてください。
「優しい彼だから」「自分に回避傾向があるから」という理由だけで、無理に付き合い続けようとしなくてもいいのです。自分の気持ちと向き合った結果、別れを選ぶのも1つの選択肢です。

すぐには気持ちがはっきりしないこともあります。そんなときは、焦って今すぐ結論を出そうとせず、気持ちを整理する時間を取るのもよいでしょう

3.お互いの希望を尊重しながら話し合えるか

自分の気持ちと同じくらい大切なのが、双方にとって無理のない付き合い方を話し合えるかどうかです。

例えば、あなたが「週末のどちらかは1人で過ごしたい」「LINEのペースを落としたい」と伝えたとき、彼はどのように受け止めるでしょうか。
彼にも「もっと会いたい」「連絡がないと寂しい」という希望があるかもしれません。

大切なのは、希望が一致していることではなく、お互いの希望を聞き、どこまでなら歩み寄れるかを一緒に考えられることです。

こちらの希望を伝えるたびに否定されたり、一方的に相手のペースを求められたりする場合は、あなたの回避傾向だけを問題にしないことです。反対に、お互いが無理なく続けられる方法を相談できるなら、現在の息苦しさは付き合い方を変えることで和らぐ可能性があります。

では、あなたに合う距離感を見つけ、彼とすり合わせるためには、具体的に何をすればよいのか、次の4ステップで整理していきましょう。

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自分の気持ちと心地よい距離感を確かめるための4ステップ

最後に、自分に合う関わり方を実際に試しながら、彼との今後の関係を考えるための4ステップをご紹介します。

【ステップ1】苦しくなる場面と、安心できる距離感を整理する

まずは、「どんなときに離れたくなるのか」と「どう過ごせると安心するのか」を具体的に整理しましょう
「彼を好きかわからない」という大きな問いだけで考えていると、考えが堂々巡りになりやすいからです。

例えば、最近しんどかった場面を思い出してみてください。

  • 毎週末に予定が入り、休む時間がなくなったとき
  • LINEを「すぐに返さなければいけない」と感じたとき
  • 自分の気持ちが固まる前に、将来の返事を求められたとき

次に、それぞれの場面であなたは「本当はどうしたかったのか」を考えてみましょう。

「週末のどちらかは予定を入れずに過ごしたかった」「返事は手が空いたときでよいと思えたら楽だった」など、あなたが必要としていた時間や関わり方が見えてくるかもしれません。

「自分は冷たい人間だ」と評価するよりも、「この状況だと苦しくなるんだな」「こう過ごせると安心する」と、自分の反応を具体的に理解することが大切です。

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【ステップ2】人生の「バランスホイール」を見直す

次に、彼との関係だけでなく、生活全体のバランスに目を向けてみましょう。
その整理に使えるのが、「バランスホイール(人生の輪)」という考え方です。

恋愛・パートナー・家庭、仕事・キャリア、趣味・1人の時間、友人関係・コミュニティなど、自分にとって大切な領域を書き出し、それぞれに必要な時間や気力を使えているかを振り返ります。

例えば、次のような状態になっていないでしょうか。

  • 彼と会うために、趣味や友人との予定を入れられないと感じている
  • 仕事で疲れていても、デートを断れずにいる
  • 1人で何もせずに休む時間がほとんどない

大切なのは、全ての領域に同じだけ時間を使えているかではなく、自分に必要な時間が失われていないかを確かめること

恋愛以外の時間も確保できると、彼への気持ちについても、余裕のある状態で落ち着いて考えやすくなります。
「付き合っているなら、空いている時間は全て一緒に過ごすべき」と考えず、お互いがそれぞれの生活を大切にできる関わり方を探してみましょう。

【ステップ3】心地よい距離感を伝え、すり合わせる

自分が負担に感じる場面や、必要としている時間がわかったら、それを相手に具体的に伝え、2人に合う付き合い方を考えてみましょう

単に「1人になりたい」「LINEを減らしたい」と伝えるだけでは、彼は何をどう変えればよいのかわからないかもしれません。
今感じている負担と、試してみたい方法をセットで伝えるのがポイントです。

例えば、次のような伝え方をしてみましょう。

「私、昔からLINEを頻繁に返さなきゃと思うと、少ししんどくなってしまうみたい。今の付き合い方を一緒に考えたいから、『おはよう』『おやすみ』や用件以外は、余裕があるときに返す形を試してみてもいいかな? あなたは、どのくらいのペースで連絡を取れると安心する?」

自分の希望を伝えたうえで、相手の希望も聞き、会う頻度や連絡の方法を調整してみましょう。一度決めたルールを守り続けることより、試した後に「どうだった?」と話し合えることが長期的なパートナーシップには重要です。

希望が食い違ったときの伝え方や、お互いが納得できる落とし所を探す4つのステップは以下の記事で詳しく解説しています。彼と話し合う前に、ぜひ読んでみてください。

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【ステップ4】小さな感情を共有し、自分と相手の反応を確かめる

4つ目は、日常の小さな感情や、1人で過ごした時間のことを伝えられる範囲で共有してみることです。

気持ちが整理できるまで何も伝えずにいると、彼は突然距離を置かれたように感じて、不安になってしまうかもしれません。まとまった結論を話そうとせず、そのとき実際に感じたことを少しずつ伝えてみてください。

  • 「この前のデート、あのお店で話した時間が楽しかった」
  • 「今日は仕事で疲れているから、早めに休みたい」
  • 「1人で趣味を楽しめて、少しリフレッシュできた」

ここで確かめたいのは、相手の反応だけではありません。

「気持ちを伝えたらほっとした」「話を聞いてもらえてうれしかった」「1人の時間を取ったら、また彼に会いたくなった」「やっぱり会う頻度はもう少し減らしたい」など、あなた自身がどう感じたかにも目を向けてみましょう。

彼があなたの話を受け止めてくれるか、自分も相手の気持ちを聞きたいと思えるか。
こうしたやり取りを通じて、この相手と、どのような関わり方なら無理なく過ごせるのかを確かめていきましょう。

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まとめ:自分が苦しくなる場面と心地よい距離感を整理しよう

「彼を好きかわからない」と感じたとき、「冷めたんだ」「自分の回避傾向のせいだ」と、すぐに答えを決める必要はありません。

まずは、どのような場面で苦しくなるのか、過去の恋愛にも共通点があるのかを振り返ってみましょう。愛着スタイルは、その背景を理解する手がかりの1つになります。

そのうえで、会う頻度や連絡の仕方を調整したときの自分の気持ちと、お互いの希望を尊重して話し合えるかに目を向けてみてください。

大切なのは、自分の気持ちと2人の関係を確かめながら、これからどうしたいかを考えることです。

心地よい距離感を見つけて関係を続けることも、考えた末に別れを選ぶこともできます。
「彼は優しいから」と、自分の苦しさをなかったことにしなくてよいのです。

1人で整理するのが難しければ、第三者と一緒に考える方法もあります。

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