ビビッときた相手と結婚したほうが幸せになれるってホント!?

ちまたで、まことしやかにささやかれる“恋愛雑学”や“テクニック”。「それって本当に正しいの?」「ただの思い込みじゃない?」と気になったことはありませんか?

この企画では、そんな恋愛にまつわるうわさや通説を、ナレソメ予備校恋愛心理学者・山崎独自の視点と科学的なデータをもとに徹底考察し、解説します。

恋愛心理学者・山崎
富山県出身。筑波大学卒業。在学中から「恋愛心理学」を研究し、特に遠距離恋愛や関係継続, 自己肯定感の分野を得意とする。認定心理士・メンタルヘルスマネジメント検定Ⅱ種を保持し、恋愛を起点としたQOL向上のノウハウを武器に、教育機関や企業の人事領域で講演・相談支援を行うなど幅広く活動。自身も2度の遠距離恋愛や婚約・婚約破棄を経験し、その学びを生かして年上シングルマザーとの年の差婚を果たす。現在は幸せな結婚生活を送りながら、恋愛心理学の知見を社会に還元し続けている。
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ビビッときた相手と結婚したほうが幸せになれるってホント!?

「ビビビ婚(=出会った瞬間にビビッと電撃的な運命を感じて結婚すること)」という言葉もありますが、本当に直感で決めた結婚は幸せになれるのでしょうか? 恋愛心理学者・山崎がエビデンスをもとに語ります。

【考察サマリー】「ビビビ婚=幸せ」はウソ。大切なのは直感よりも「ズレへの向き合い方」

「ビビッときた相手と結婚したほうが幸せになれる」という説について、私は「ウソ」と分析します。

というのも、ビビビ婚であっても、時間をかけて友情からスタートした結婚であっても、最終的な夫婦の幸福度自体には差がないという研究があるからです(※)

つまり、出会い方そのものが結婚後の幸せを約束してくれるわけではありません。ビビビ婚だから幸せになれるわけでも、不幸になるわけでもないのです。

では、何が夫婦の幸福度を左右しているのかというと、出会いの瞬間ではなく、その後の「関係構築(ズレへのすり合わせ)」にあると考えられます。

ビビビ婚カップルは、まさにこの「すり合わせ」において、非常につまずきやすい傾向にあります。出会った段階でお互いの性格や価値観といった内面を冷静に見極めないまま、直感やときめきだけで突っ走ってしまうため、後から性格のズレを実感しやすくなるのです。

心理学の性格5大因子「ビッグファイブ理論」を用いた研究によると、ビビビ婚をした夫婦は、そうでない夫婦に比べて以下の3つの特性において夫婦間のズレが非常に生じやすいことがわかっています。

  • 外向性:社交性や活動性のレベルの違い
  • 神経質:心配性の度合いや情緒の安定性の違い
  • 誠実性:物事に対する慎重さや規律正しさの違い

特にこの3つの特性がズレることで、結婚後に「なんか思っていたのと違う」となりやすいのです。

もちろん、性格のズレがあること自体は悪いことではありません。どんなに仲が良い夫婦でも多少のズレは生じます。大切なのは、そのズレをすり合わせていく努力です。

実はここにビビビ婚の最大のワナが潜んでいます。
ビビビ婚のカップルは「私たちは運命の2人だから、すり合わせなくても分かり合えるはず!」という心理に陥りやすいのです。
お互いのズレに直面したときに話し合いでの解決を試みず、そのまま放置した結果、「こんなはずじゃなかった!」と関係が悪くなったり、離婚したりすることにつながります。

「運命の人だから合うはず、うまくいくはず」という期待にすがるより、どんな出会い方であっても、こうした性格のギャップにどう向き合うかのほうが夫婦の幸せにおいて極めて重要と言えます。

※出典:Barelds, D. P. H., & Barelds-Dijkstra, P. (2007). Love at first sight or friends first? Ties among partner personality trait similarity, relationship onset, relationship quality, and love.

初対面で強烈に惹かれる「ビビッ」の正体は、好みのビジュアル×ハロー効果

初対面でビビッと強烈に惹かれる現象の正体は「ビジュアルの好み」と「ハロー効果」という心理現象の影響が関連すると考えます。
「ハロー効果」とは、ある1つの目立つ特徴に引きずられ、その他の特徴まで実際よりポジティブに評価してしまう認知バイアスのことです。

もちろん、好みの見た目の人を見つけてときめくのも、条件のいいお相手に魅力を感じるのも、人としてごく自然なことですし、決して悪いことではありません。

例えば、好みの顔立ちや体形の相手と対面したとき、「ビジュアルの好み」によって瞬時に好意的な感情が生まれます。
そこに加えて、マッチングアプリや結婚相談所で事前に確認していたプロフィールの「高収入」「会社経営者」「高学歴」といったすばらしい条件が脳内でガチッと結びつきます。

すると、「見た目もタイプで、スペックも最高なのだから、きっと性格も優しくて誠実で、私を一生幸せにしてくれる完璧な運命の人に違いない!」と、出会って間もない相手の中身を、無意識のうちに自分の理想どおりにイメージして、期待を膨らませてしまうのです。

だからこそ、出会った瞬間の強烈なトキメキは「お相手の見た目と魅力的な条件に、今はちょっと目がくらんじゃっているだけかも?」と、少しだけ冷静に受け止めておくのがおすすめです。

※画像はイメージです

「ビビッとこない=運命じゃない」という呪縛を解く3つの処方箋

「そうは言っても、どうしてもピンとくる人に出会えない……」「ビビッとこない人を好きになれない」と立ち止まってしまう気持ちも、とてもよくわかります。

実は、そこまで「ビビッ」という直感を求めてしまう裏には、自分でも気づかないうちに「傷つきたくない」という強い自己防衛の気持ちが働いていることが考えられます。

人間には誰しも、「努力が無駄になる」という手痛い損失を何よりも避けたいという本能があります。
そのため、ビビッという直感がないお相手に対しては、自ら主体的にコストをかけ、関係を温めていくという「労力の先払い」が必要になるので腰が重くなりがちです。
その点、すでにお相手を気に入っている状態なら、誰でも楽しく行動できるんですね。

それでは、最初からわかりやすいトキメキがないなかで、どうやって幸せな結婚に向けて行動すればいいのでしょうか。

次の3つのステップで、その具体的な方法を見ていきましょう。

1. 「誰かになんとかしてもらおう」から卒業する

誰かに頼りたい、甘えたいと思うのは人間としてとても自然な感情です。

しかし、寂しさから「誰かになんとかしてもらおう」と受け身になり、相手に自分の人生を丸投げしてしまうと、相手の言動に一喜一憂する苦しい婚活になってしまいます。
相手はあなたの寂しさを埋めるための道具ではありませんし、誰もあなたの幸せの責任を代わりに取ることはできません

相手に求める前に、まずは自分で自分を満たすための行動を取るようにすることが大切です。
まずは、以下のような小さなアクションから始めてみましょう。

  • 「今、自分は何が食べたい?」「本当はどうしたい?」と、自分の小さな心の声を丁寧に聞いてかなえてあげる
  • お気に入りのカフェに行く、読書をする、好きな映画を観る、ゆっくりお風呂につかるなど、1人で心がホッとする時間や空間を意識的に作る
  • 「今日も朝早く起きてえらかった!」「大変な仕事を1つやり遂げてすばらしい!」と、日々の小さな頑張りや行動を自分で言葉にして褒める

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2. 結婚だけを目標にするのではなく、自分から行動する「短期目標」を作る

自分で自分を満たして心に余裕ができたら、次はいよいよお相手との向き合い方です。

最初から「結婚すること」だけをゴールに設定してしまうと、目標までの彼我の距離に気後れしてなかなか行動しにくくなりがちです。
まだ好きかどうかもわからないお相手に、自分から進んで時間や気遣いといったコスト(=努力)をかけるのが正直おっくうに感じることもあるでしょう。

だからこそ、結婚だけを目標にするのではなく、以下のような小さな「短期目標」を設定して、自己成長も意識しながら前向きに取り組んでみることをおすすめします。

  • 相手が気持ちよく話せるような「質問の投げ方やリアクション」を、デート中に意識して試してみる
  • 食事をごちそうしてもらったら「次のカフェは私がごちそうしますね」と提案するなど、感謝を言葉と行動で示す
  • 相手任せにせず、「自分から次のデートに誘う」や「行きたいお店を提案する」といった主体的なアクションを起こしてみる

ここで本当に大切なのは、「頑張った分だけ、その挑戦は必ず自分の成長につながっている」という視点です。何よりも大事なのは、「昨日の自分よりも、今日の自分がちょっとでも良くなっていること」。
たとえ、そのご縁が結婚につながらなかったとしても、コミュニケーション力や相手を理解する力は確実に積み上がっています。

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3. 「関係維持」のための努力を惜しまない

どんな大恋愛から始まっても、半年もすればトキメキ(ドーパミン)の賞味期限は切れてしまいます。 半年以降はいわゆる「マンネリ期」になり、出会った頃のあの強烈なトキメキは落ち着いていきます。

しかし、トキメキがなくなった・ドキドキしなくなったからといって、決して「お相手を好きではなくなった」「気持ちが冷めてしまった」わけではありません。

ビビビ婚に憧れる人は、マンネリ期における関係維持の努力を嫌がり、トキメキが薄れるとすぐに「なんか思っていたのと違う。運命の相手じゃなかったのかも……」と諦めてしまう傾向にあります

お付き合いや結婚が始まってから、関係構築と維持のための「適切な努力」をしっかり続けられるかどうかが、どんなお相手と結婚しても幸せになれる唯一の鍵なのです。

ここでいう努力とは、単に相手の言いなりになって尽くすことではありません
例えば、体を求められたらすぐに応じる、夜遅くに呼び出されたら飛んでいく、といったことは単なる都合のいい人になっているだけで、良好な関係づくりの努力とは言えません。

本当の意味での努力とは、これからの2人の将来のためになるコストをかけるということです。具体的には、以下のような努力を主体的に続けましょう。

  • 記念日をちゃんとお祝いする (パートナーとしてのきずなを強めるためのイベントを大切にする)
  • 付き合う前のように何でもない日にちょっとしたプレゼントを渡す (相手を大切に思う気持ちをささやかな日常の行動で示す)
  • 話し合いから逃げない (少しでも「なんか違う」と思い始めたときに放置せず向き合う)

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まとめ:入り口は何でもいい! 大切なのは「飛び続けるための燃料」

実際に、出会った瞬間に惹かれ合い、そのまま幸せな結婚生活を送る夫婦もいます。
ただし、その夫婦が幸せなのは「ビビッときたから」ではなく、その後も話し合いとすり合わせを続けたからです。

ビビビ婚でも友情から始まった結婚でも、入り口は何だって構いません。入り口がどこであっても夫婦の幸福度は同じです。
本当に大切なのは、「運命の相手だから何もしなくてもうまくいく」という受け身の姿勢を手放すこと。
そして、お互いが関係維持のための適切な努力をしっかりと続け、2人の関係を日々アップデートしていくことです。

最初のビビッという直感だけを頼るのではなく、じっくりと穏やかな愛を育てていく。
そんなお互いを満たし合える温かいパートナーシップを築いていきましょう。

ナレソメ総研

山崎先生の恋愛・婚活お悩み相談室

恋愛や婚活、そして結婚後のパートナーシップ。人生のステージごとに尽きることのない、多種多様なお悩み。本連載では、そんな恋愛・婚活・パートナーシップに関するお悩みについて、ナレソメ予備校の恋愛心理学者・山崎独自の視点と科学的なデータをもとに解決策を提示します。

山崎先生、コレってホントですか!?

恋愛にまつわるうわさや通説を、ナレソメ予備校の恋愛心理学者・山崎独自の視点と科学的なデータをもとに徹底考察し、解説します。

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執筆者 ナレソメ総研
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